会計・財務(全77問中4問目)
No.4解説へ
ASP利用方式と自社開発の自社センター利用方式(以下"自社方式"という)の採算性を比較する。次の条件のとき，ASP利用方式の期待利益(効果額－費用)が自社方式よりも大きくなるのは，自社方式の初期投資額が何万円を超えたときか。ここで，比較期間は5年とする。
〔条件〕
〔条件〕
- 両方式とも，システム利用による効果額は500万円／年とする。
- ASP利用方式の場合，初期費用は0円，利用料は300万円／年とする。
- 自社方式の場合，初期投資額は定額法で減価償却計算を行い，5年後の残存簿価は0円とする。また，運用費は100万円／年とする。
- 金利やその他の費用は考慮しないものとする。
出典：令和5年春期 問 4
- 500
- 1,000
- 1,500
- 2,000
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解説
両方式の効果額は同じ（500万円×5年＝2,500万円）なので、単純にASP利用方式の費用が自社方式の費用より小さければ、ASP利用方式の期待利益が大きくなります。よって、費用が逆転するポイントを考えていきます。
【ASP利用方式の費用】
初期費用は0円、利用料300万円／年なので、5年間の費用は「300万円×5年＝1,500万円」です。
【自社方式の費用】
初期投資額と運用費の合計です。運用費は100万円／年なので、初期投資額をA円とする、5年間の費用は「A＋100万円×5年＝A＋500万円」と表せます。
ASP利用方式の費用である1,500万円よりも、自社方式の費用であるA＋500万円が大きくなる初期投資額Aは、
1,500万円＜A＋500万円
1,000万円＜A
以上より、初期投資額が1,000万円を超えれば、ASP利用方式の期待利益のほうが大きくなることがわかります。したがって「イ」が正解です。
【ASP利用方式の費用】
初期費用は0円、利用料300万円／年なので、5年間の費用は「300万円×5年＝1,500万円」です。
【自社方式の費用】
初期投資額と運用費の合計です。運用費は100万円／年なので、初期投資額をA円とする、5年間の費用は「A＋100万円×5年＝A＋500万円」と表せます。
ASP利用方式の費用である1,500万円よりも、自社方式の費用であるA＋500万円が大きくなる初期投資額Aは、
1,500万円＜A＋500万円
1,000万円＜A
以上より、初期投資額が1,000万円を超えれば、ASP利用方式の期待利益のほうが大きくなることがわかります。したがって「イ」が正解です。
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