知的財産権(全64問中19問目)
No.19解説へ
著作物の使用事例のうち,著作権を侵害するおそれのある行為はどれか。
出典:平成30年春期 問10
- 音楽番組を家庭でDVDに録画し,録画者本人とその家族の範囲内で使用した。
- 海外のWebサイトに公表された他人の闘病日記を著作者に断りなく翻訳し,自分のWebサイトに公開した。
- 行政機関が作成し,公開している,自治体の人口に関する報告書を当該機関に断りなく引用し,公立高校の入学試験の問題を作成した。
- 専門誌に掲載された研究論文から数行の文を引用し,その引用箇所と出所を明示して論文を作成した。
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解説
- 自分自身や家族など限られた範囲内で利用するためであれば著作物を複製することができます(著作権法第30条 私的使用のための複製)。設問のケースは本人と家族だけの使用であり上記に該当するため違法性はありません。
ただし、私的使用目的の複製であっても、コピープロテクト等の技術的保護手段が付いた著作物をコピーする行為には許諾が必要ですので注意しなければなりません。 - 正しい。著作権者には自身の著作物に対する「翻訳権・翻案権」が認められています。このため他人の著作物を著作者の許可なく翻訳し公開する行為は著作権の侵害となります。
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成した広報資料、調査統計資料、報告書のうち、①一般に周知させることを目的とするものであり、②禁転載の記載がなく、③説明の材料として使う場合には、転載できることが定められています。
- 引用が適切と見なされるためには主に3つの条件を満たす必要があります。
- 引用に必然性があり、必要最小限の範囲であること
- 本文と引用部分が明確に区別されていること
- 引用元・出典を閲覧者に明示すること
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