業務プロセス(全63問中11問目)
No.11解説へ
E-R図を使用してデータモデリングを行う理由として,適切なものはどれか。
出典:令和3年春期 問 1
- 業務上でのデータのやり取りを把握し,ワークフローを明らかにする。
- 現行業務でのデータの流れを把握し,業務遂行上の問題点を明らかにする。
- 顧客や製品といった業務の管理対象間の関係を図示し,その業務上の意味を明らかにする。
- データ項目を詳細に検討し,データベースの実装方法を明らかにする。
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解説
E-R図は、データベース化の対象となる実体(エンティティ)と実体の持つ属性(アトリビュート)および実体間の関連(リレーションシップ)を表現する図です。任意のオブジェクトとその関連をデータモデル化することが可能ですが、関係データベースとの親和性が特に高いため、関係データベースの概念設計に使用されます。下図は本来のE-R図ですが、実際にはE-R図のUML版であるクラス図を使ってモデリングすることが一般的です。
- E-R図は、実体同士の静的な関連を表現したものであり、データの流れは表現できません。ワークフローを把握するには業務フロー図やアクティビティ図、BPMN(Business Process Model and Notation)の使用が適しています。
- 「ア」と同様の理由で誤りです。データを中心に業務の流れを把握するにはDFD(Data Flow Diagram)の使用が適しています。
- 正しい。E-R図は、現実世界にどのようなデータが存在し、どのように関連し合って機能しているのかを可視化することで、管理対象の業務上の位置付けを明らかにします。
- データベースの実装方法とは、E-R図等でモデリングされた概念モデルを、具体的にどのデータベースモデル(関係モデル、階層モデル、ネットワークモデル、NoSQLなど)を使って実現するかということです。E-R図は特定のデータベースモデルに依存していないので、どの実装方法を用いるかまでを決定するわけではありません。
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