ITパスポートの出題範囲
情報処理技術者試験はその出題範囲が広いことで知られています。情報処理に関する問題はもちろん情報分野の関連法規、経営学用語や企業会計の簿記の分野まで、おおよそ情報処理技術に関係ないと思われることまでが試験範囲に含まれています。
出題範囲の詳細及び求められる技術レベルは、下記ページで公開されているシラバスで確認することができます。
【試験要綱・シラバスなど】
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/gaiyou.html
ストラテジ系(出題割合35%)
情報化と企業活動に関する分析を行うために必要な基礎的な用語・概念などの知識や、高等学校の情報科目、一般的な新聞・書籍・雑誌などに掲載されている基礎的な用語・概念などの知識を問う問題を出題する。また、身近な業務を把握・分析して課題を解決する手法や、データ分析および問題解決へのオフィスツールの活用に関する基礎的な知識を問う問題を出題する。
- 1.企業活動
- ・企業活動や経営管理に関する基本的な考え方
・身近な業務を分析し,課題を解決する手法や,PDCAの考え方,作業計画,パレート図などの手法
・業務フローなど業務を把握する際のビジュアル表現について
・財務諸表,損益分岐点など会計と財務の基本的な考え方 - 2.法務
- ・知的財産権(著作権法,産業財産権関連法規など),セキュリティ関連法規(不正アクセス禁止法など),個人情報保護法,労働基準法,労働者派遣法など,身近な職場の法律
・ライセンス形態,ライセンス管理など,ソフトウェアライセンスの考え方,特徴
・コンプライアンス,コーポレートガバナンスなど,企業の規範に関する考え方
・標準化の意義を問う。 - 3.経営戦略マネジメント
- ・SWOT分析,プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM),顧客満足度,CRM,SCMなどの代表的な経営情報分析手法や経営管理システムに関する基本的な考え方
・表計算ソフト,データベースソフトなどオフィスツール(ソフトウェアパッケージ)の利用に関する理解 - 4.技術戦略マネジメント
- ・技術開発戦略の意義,目的などに関する理解
- 5.ビジネスインダストリ
- ・電子商取引,POSシステム,ICカード・RFID応用システムなど,各種ビジネス分野での代表的なシステムの特徴
・エンジニアリング分野や電子商取引での代表的なシステムの特徴
・情報家電や組込みシステムの特徴,動向。 - 6.システム戦略
- ・情報システム戦略の意義と目的,戦略目標,業務改善,問題解決などに向けた考え方
・業務モデルにおける代表的なモデリングの考え方
・コミュニケーションにおけるグループウェアやオフィスツールなどの効果的な利用
・コンピュータ及びネットワークを利用した業務の効率化の目的,考え方
・クラウドコンピューティングなど代表的なサービスを通じて,ソリューションビジネスの考え方
・IT の技術動向(IoT,ビッグデータなどを含む)に関する知識
・システム活用促進・評価活動の意義と目的 - 7.システム企画
- ・システム化計画の目的
・現状分析などに基づく業務要件定義の目的
・見積書,提案依頼書(RFP),提案書の流れなど調達の基本的な流れ
マネジメント系(出題割合20%)
システム開発やプロジェクトマネジメントのプロセスに関する基礎的な用語・概念などの知識を問う問題を出題し、専門性の高い具体的な用語・概念などの知識を問う問題は出題しない。また、コンピュータやネットワーク、オフィスツールなどを使って、業務環境の整備を考えるための基礎的な知識を問う問題を出題する。
- 8.システム開発技術
- ・要件定義,システム設計,プログラミング,テスト,ソフトウェア保守などシステム開発のプロセスの基本的な流れ
・システム開発における見積りの考え方 - 9.ソフトウェア開発管理技術
- ・代表的な開発モデルや開発手法に関する意義や目的
- 10.プロジェクトマネジメント
- ・プロジェクトマネジメントの意義,目的,考え方,プロセス,手法
- 11.サービスマネジメント
- ・IT サービスマネジメントの意義,目的,考え方
・サービスデスク(ヘルプデスク)など関連項目に関する理解
・コンピュータやネットワークなどのシステム環境整備に関する考え方 - 12.システム監査
- ・システム監査の意義,目的,考え方,対象
・計画,調査,報告など,システム監査の流れ
・内部統制,IT ガバナンスの意義,目的,考え方
テクノロジ系(出題割合45%)
基礎的な用語・概念などの知識や、論理的な思考力を問う問題を出題し、技術的に専門性の高い問題は出題しない。また、身近なシステムの安全な利用に関する基礎的な知識を問う問題を出題する。
- 13.基礎理論
- ・2進数の特徴や演算,基数に関する基本的な考え方
・ベン図などの集合,確率や統計に関する基本的な考え方
・ビット,バイトなど,情報量の表し方や,ディジタル化の基本的な考え方 - 14.アルゴリズムとプログラミング
- ・アルゴリズムとデータ構造の基本的な考え方,流れ図の表現方法
・プログラミングの役割
・HTML,XMLなどのマークアップ言語の種類とその基本的な使い方 - 15.コンピュータ構成要素
- ・コンピュータの基本的な構成と役割
・プロセッサの性能と基本的な仕組み,メモリの種類と特徴
・記録媒体の種類と特徴
・入出力インタフェース,デバイスドライバなどの種類と特徴 - 16.システム構成要素
- ・システムの構成,処理形態,利用形態の特徴
・クライアントサーバシステムや仮想化システムの特徴
・Webシステムの特徴
・システムの性能・信頼性・経済性の考え方 - 17.ソフトウェア
- ・OSの必要性,機能,種類,特徴
・アクセス方法,検索方法など,ファイル管理の考え方と基本的な機能の利用法,バックアップの基本的な考え方
・オフィスツールなどソフトウェアパッケージの特徴と基本操作
・オープンソースソフトウェア(OSS)の特徴 - 18.ハードウェア
- ・コンピュータの種類と特徴
・入出力装置の種類と特徴 - 19.ヒューマンインターフェイス
- ・GUI,メニューなど,インタフェースの設計の考え方,特徴
・Webデザインの考え方
・ユニバーサルデザインの考え方 - 20.マルチメディア
- ・JPEG,MPEG,MP3 など,符号化の種類と特徴
・Augmented Reality (AR), Virtual Reality (VR),Computer
Graphics(CG)など,マルチメディア技術の応用目的や特徴
・情報の圧縮と伸長,メディアの特徴 - 21.データベース
- ・データベース及びデータベース管理システム(DBMS)の意義,目的,考え方
・データの分析・設計の考え方,データベースのモデルの特徴
・データの抽出などの操作方法
・排他制御,リカバリ処理など,データベースの処理方法 - 22.ネットワーク
- ・ネットワークに関するLANやWANの種類と構成,インターネットやLANの接続装置の役割
・通信プロトコルの必要性,代表的なプロトコルの役割
・インターネットの特徴と基本的な仕組み
・電子メール,インターネットサービスの特徴
・モバイル通信,IP電話など,通信サービスの種類と特徴,課金,伝送速度などに関する理解 - 23.セキュリティ
- ・ネットワーク社会における安全な活動の観点から情報セキュリティの基本的な考え方
・情報資産とリスク管理の目的,情報セキュリティポリシの考え方
・マルウェア(コンピュータウイルス,ボット,スパイウェアなど)や様々な攻撃手法(フィッシング,標的型攻撃など)への対策などの技術的セキュリティ対策の考え方,種類と特徴
・入退室管理やアクセス管理など,物理的・人的セキュリティ対策の考え方,種類と特徴
・ID・パスワード,ディジタル署名,生体認証など,認証技術の種類と特徴
・共通鍵暗号方式,公開鍵暗号方式,公開鍵基盤(PKI)など,暗号化技術の仕組みと特徴