令和5年試験問題 問25
問25解説へ
企業の行為に関する記述a~cのうち,コンプライアンスにおいて問題となるおそれのある行為だけを全て挙げたものはどれか。
- 新商品の名称を消費者に浸透させるために,誰でも応募ができて,商品名の一部を答えさせるだけの簡単なクイズを新聞や自社ホームページ,雑誌などに広く掲載し,応募者の中から抽選で現金10万円が当たるキャンペーンを実施した。
- 人気のあるWebサイトを運営している企業が,広告主から宣伝の依頼があった特定の商品を好意的に評価する記事を,広告であることを表示することなく一般の記事として掲載した。
- フランスをイメージしてデザインしたバッグを国内で製造し,原産国の国名は記載せず,パリの風景写真とフランス国旗だけを印刷したタグを添付して,販売した。
- a,b
- a,b,c
- a,c
- b,c
正解 エ問題へ
広告
解説
コンプライアンスは、企業倫理に基づき、ルール、マニュアル、チェックシステムなどを整備し、法令や社会規範を遵守した企業活動を行うことです。単に法令を遵守するという意味に留まらず、各種のガイドラインや業界規則、明文化されていない社会通念や慣習、社会倫理等をも考慮して行動するという意味が含まれます。
近年、法令違反による信頼の失墜や、それが波及した法律の厳罰化などが事業継続に大きな影響を与える事例が頻発しているため、コンプライアンスを重視した企業活動というものがかつてないほど重要になってきています。
この問題では、景品表示法によって規制される不当景品や不当表示に当たるかどうかという中々難しい論点が問われています(しかも組合せ問題です)。景品表示法は、消費者が良い商品・サービスを安心して選べる環境を守るために「不当表示の禁止」「景品類の制限及び禁止」などを定めた法律です。
近年、法令違反による信頼の失墜や、それが波及した法律の厳罰化などが事業継続に大きな影響を与える事例が頻発しているため、コンプライアンスを重視した企業活動というものがかつてないほど重要になってきています。
この問題では、景品表示法によって規制される不当景品や不当表示に当たるかどうかという中々難しい論点が問われています(しかも組合せ問題です)。景品表示法は、消費者が良い商品・サービスを安心して選べる環境を守るために「不当表示の禁止」「景品類の制限及び禁止」などを定めた法律です。
- 問題とならない。新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイトなどで広く告知し、来店を条件とせず、金品等が提供される企画(いわゆるオープン懸賞)は、取引不随性がないため、景品表示法の適用外となります。オープン懸賞である場合には、提供できる金品について最高額の制限がないため問題となりません。
- 問題となる。ステルスマーケティング、不正レビュー、やらせレビューなど、一般消費者が事業者による宣伝のための表示であることを判別できないものは、不当表示として景品表示法違反となります。よって、コンプライアンス上の問題となります。
- 問題となる。消費者に誤認されるようなデザインや商品パッケージは、不当表示として景品表示法違反となります。一般消費者が原産国を判別することが困難な場合において、原産国以外の国名、地名、国旗等の表示をすることは、誤認されるおそれのある表示として禁止されています。よって、コンプライアンス上の問題となります。
広告