令和5年試験問題 問34
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記述a~cのうち,"人間中心のAI社会原則"において,AIが社会に受け入れられ,適正に利用されるために,社会が留意すべき事項として記されているものだけを全て挙げたものはどれか。
- AIの利用に当たっては,人が利用方法を判断し決定するのではなく,AIが自律的に判断し決定できるように,AIそのものを高度化しなくてはならない。
- AIの利用は,憲法及び国際的な規範の保障する基本的人権を侵すものであってはならない。
- AIを早期に普及させるために,まず高度な情報リテラシーを保有する者に向けたシステムを実現し,その後,情報弱者もAIの恩恵を享受できるシステムを実現するよう,段階的に発展させていかなくてはならない。
- a,b
- a,b,c
- b
- b,c
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解説
人間中心のAI社会原則は、AI(人工知能)を有効かつ安全に利用する際に守るべき7個の原則(人間中心の原則、教育・リテラシーの原則、プライバシーの原則、セキュリティ確保の原則、公正競争確保の原則、公平性、説明責任及び透明性の原則、イノベーションの原則)を示したものです。
持続可能な世界を構築するための鍵となる技術としてAIが注目されています。AIは人間の情報処理能力を上回るため確かに便利ですが、その一方で、強力であるがゆえ使い方を間違えれば不利益をもたらし得る存在と言えます。そこでAIの適切な開発と社会実装に関する原則として、日本政府により本則が定められました。
人間中心のAI社会原則では、AIの利活用が進む社会において、①人間の尊厳が尊重される社会、②多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会、③持続性ある社会、という3つの価値の実現を追求する社会を構築することを基本理念としています。そして、その実現のために社会が留意すべき原則として以下の7つを規定しています。
持続可能な世界を構築するための鍵となる技術としてAIが注目されています。AIは人間の情報処理能力を上回るため確かに便利ですが、その一方で、強力であるがゆえ使い方を間違えれば不利益をもたらし得る存在と言えます。そこでAIの適切な開発と社会実装に関する原則として、日本政府により本則が定められました。
人間中心のAI社会原則では、AIの利活用が進む社会において、①人間の尊厳が尊重される社会、②多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会、③持続性ある社会、という3つの価値の実現を追求する社会を構築することを基本理念としています。そして、その実現のために社会が留意すべき原則として以下の7つを規定しています。
- 人間中心の原則
- AIの利用は、憲法及び国際的な規範の保障する基本的人権を侵すものであってはならない
- 教育・リテラシーの原則
- AIの利活用に関する教育・リテラシーを育む教育環境が全ての人に平等に提供されなければならない
- プライバシーの原則
- パーソナルデータの取扱いについて個人が不利益を受けることのないようにしなければならない
- セキュリティ確保の原則
- 便益とセキュリティリスクのバランスに留意し、全体として社会の安全性及び持続可能性が向上するように務めなければならない
- 公正競争確保の原則
- 新たなビジネス、サービスを創出し、持続的な経済成長の維持と社会課題の解決策が提示されるよう、公正な競争環境が維持されなければならない
- 公平性・説明責任及び透明性の原則
- 公平性及び透明性のある意思決定とその結果に対する説明責任が適切に確保されると共に、技術に対する信頼性が担保される必要がある
- イノベーションの原則
- 継続的なイノベーションを目指すため、徹底的な国際化・多様化と産学官民連携、研究開発環境の整備、規制改革等を進めるべきである
- 記載されていない。AIの利用にあたっては、人が自らどのように利用するかの判断と決定を行うことが求められます。
- 記載されている。人間中心の原則です。
- 記載されていない。各ステークホルダは、AI普及の過程で情報弱者や技術弱者を生じさせず、AIの恩恵をすべての人が享受できるよう、使いやすいシステムの実現に配慮すべきです。
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