平成27年春期試験問題 問21

事業者の信用維持や需要者の混同を回避するために,更新の申請を繰り返すことで,実質的に永続的な権利保有が可能な工業所有権はどれか。

  • 意匠権
  • 実用新案権
  • 商標権
  • 特許権
正解 問題へ
分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:知的財産権
解説
工業所有権(産業財産権)には、以下の4種類があります。
特許権
自然の法則や仕組みを利用した価値ある発明を保護する、存続期間は出願日から20年
実用新案権
物品の形状、構造または組み合わせに係る考案のうち発明以外のものを保護する、存続期間は出願日から10年
意匠権
製品の価値を高める形状やデザインを保護する、存続期間は出願日から25年
商標権
商品の名称やロゴマークなどを保護する、存続期間は設定登録日から10年
21.png
このうち特許権、実用新案権、意匠権は一定期間の独占使用の後、その後は誰もが自由に利用できるようになりますが、商標権だけは異なり、最初の存続期間の終了後も更新手続きを経ることによって権利を存続させることが出来ます。これは、商標法の目的が他の3つの権利とは異なり「商標の使用者と需要者の利益を保護すること」であるという性格を持っているからです。

さらに設問中の「事業者の信用維持や需要者の混同を回避するため」という記述から、商標権について説明した文であることがわかります。

したがって正解は「ウ」です。

Pagetop