平成28年春期試験問題 問9

大手システム開発会社A社からプログラムの作成を受託しているB社が下請代金支払遅延等防止法(以下,下請法)の対象会社であるとき,下請法に基づく代金の支払いに関する記述のうち,適切なものはどれか。

  • A社はプログラムの受領日から起算して60日以内に,検査の終了にかかわらず代金を支払う義務がある。
  • A社はプログラムの受領日から起算して60日を超えても,検査が終了していなければ代金を支払う義務はない。
  • B社は確実な代金支払いを受けるために,プログラム納品日から起算して60日間はA社による検査を受ける義務がある。
  • B社は代金受領日から起算して60日後に,納品したプログラムに対するA社の検査を受ける義務がある。
正解 問題へ
分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:労働関連・取引関連法規
解説
下請法(したうけほう)は、親事業者による下請事業者に対する優越的地位の乱用行為を取り締まるために制定された法律です。下請法には、"下請け代金の支払い確保"のほかにも親事業者の遵守事項などが定められていて、親事業者の下請事業者に対する取引を公正に行わせることで、下請事業者の利益を保護することを目的としています。

この法律では、親事業者の義務として4項目(および禁止事項が11項目)が挙げられています。
書面の交付義務
発注の際は,直ちに3条書面を交付すること
※3条書面とは発注に際して定められた具体的事項が記載された書類のことです。
支払期日を定める義務
下請代金の支払期日を給付の受領後60日以内に定めること
書類の作成・保存義務
下請取引の内容を記載した書類を作成し,2年間保存すること
遅延利息の支払義務
支払が遅延した場合は遅延利息を支払うこと
  • 正しい。親事業者は、下請事業者の給付の内容について検査するかどうかを問わず、物品等を受領した日から起算して60日以内でできる限り短い期間内で下請代金の支払期日を定めなければなりません。
  • 検査の有無にかかわらず、受領日から60日以内に支払う義務があります。
  • 成果物の検査は任意であり義務ではありません。検査を行う場合は発注時に交付する3条書面に具体的事項を記載しておく必要があります。
  • 検査の実施は親事業者の責任において行われます。下請事業者の義務ではありません。
参考URL: 下請法の概要
http://www.jftc.go.jp/shitauke/shitaukegaiyo/gaiyo.html

Pagetop