平成29年秋期試験問題 問31

B社はA社の業務を請け負っている。この業務に関するB社の行為のうち,労働者派遣法に照らして,違法行為となるものだけを全て挙げたものはどれか。
  1. A社から請け負った業務を,B社の指揮命令の下で,C社からの派遣労働者に行わせる。
  2. A社から請け負った業務を,再委託先のD社で確実に行うために,C社からの派遣労働者にD社からの納品物をチェックさせる。
  3. A社から請け負った業務を,再委託先のD社で確実に行うために,C社からの派遣労働者をD社に派遣する。

  • ①,②
  • ①,②,③
  • ②,③
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分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:労働関連・取引関連法規
解説
労働者派遣契約は、派遣元企業の従業員が派遣先の指揮命令で働けるように組織間で結ばれる労働契約です。労働者派遣契約では、労働者と雇用関係にあるのは派遣元企業、指揮命令関係があるのは派遣先企業と労働者になります。
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  1. 派遣契約はB社とC社間で結ばれており、C社の従業員が派遣先のB社の指揮命令に従って働いているので問題ありません。
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  2. 派遣契約はB社とC社間で結ばれており、D社納品物のチェックはB社の指揮命令に従って行われているので問題ありません。
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  3. 労働者派遣法において派遣可能な労働者は「自己の雇用する労働者」と明確に規定されています。これに反し派遣元から派遣された労働者を、さらに派遣することを二重派遣と言い、労働者派遣法で禁止されています。
    この事例ではC社から派遣された労働者をD社に再派遣しているため二重派遣行為に該当します。
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3つの事例のうち違法行為は「③」のみです。したがって「エ」が正解です。

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