分野：ストラテジ系
中分類：企業活動
小分類：会計・財務

この問では2種類の"利益"がありますが、"商品の販売による利益"というのは売上金額から売上原価を差し引いた限界利益（粗利益・売上総利益）のこと、目標となっている10万円の利益は、限界利益から販売費・一般管理費を差し引いた営業利益（正味の利益と考えてもOK）のことです。

商品の販売による利益から販売費用を差し引いたときに10万円が残れば良いので、選択肢の来訪者数のときに利益が幾らになるかを考えていきます。

• 来訪者の10人に1人が購入するので購入者数は「385人÷10＝38.5人」です。
  
  [商品の販売による利益]
  400円×38.5人＝15,400円
  
  商品販売による利益が既に10万円を下回っているので、この来訪者数で目標となる利益を達成することは不可能です。
• 来訪者の10人に1人が購入するので購入者数は「3,000人÷10＝300人」です。
  
  [商品の販売による利益]
  400円×300人＝120,000円
  [販売費用]
  50,000円＋10円×3,000人＝80,000円
  
  商品の販売による利益から販売費を引くと4万円、したがってこの来訪者数でも足りません。
• 来訪者の10人に1人が購入するので購入者数は「3,750人÷10＝375人」です。
  
  [商品の販売による利益]
  400円×375人＝150,000円
  [販売費用]
  50,000円＋10円×3,750人＝87,500円
  
  商品の販売による利益から販売費を引くと6.25万円、したがってこの来訪者数でも足りません。
• 正しい。
  来訪者の10人に1人が購入するので購入者数は「5,000人÷10＝500人」です。
  
  [商品の販売による利益]
  400円×500人＝200,000円
  [販売費用]
  50,000円＋10円×5,000人＝100,000円
  
  商品の販売による利益から販売費を引くとちょうど10万円、したがって、毎月10万円の利益を上げるためには、少なくとも1カ月当たり5,000人の来訪者が必要とわかります。

【別解】
上記ではわかりやすさを重視して1つずつ代入していく解法を用いていますが、以下のように方程式を用いて直接的に人数を求めることもできます。

求めるべき1カ月の来訪者数を a とすると、販売費用と限界利益を次のように表せます。

[販売費用]
来訪者1人当たり10円と、固定費50,000円／月なので、

　10円×a人＋50,000円＝10a＋50,000(円)

[限界利益]
来訪者の10人に1人が購入するので購入者数は0.1a人、1個当たりの利益が400円なので、

　0.1a人×400円＝40a(円)

営業利益、限界利益、費用の間には「営業利益＝限界利益－販売費用等」の関係式が成り立つので、各値を代入した方程式でaを求めます。

　100,000＝40a－(10a＋50,000)
　100,000＝40a－10a－50,000
　150,000＝30a
　a＝5,000

以上より、1カ月当たり少なくとも5,000人の来訪者が必要とわかります。