平成28年秋期試験問題 問42
問42解説へ
プロジェクトで発生するリスクの対応策は回避,軽減,受容,転嫁に分類できる。あるシステム開発プロジェクトにおいて,設計及び開発工程をA社に委託したい。A社は過去のシステム開発で納期遅延が発生したことがあるので,今回も納期が遅れる可能性が考えられる。納期遅れのリスクの軽減に該当する対応策はどれか。
- A社に過去の納期遅延の原因分析とそれに基づく予防策を今回の開発計画に盛り込ませる。
- A社への委託を取りやめる。
- 納期遅れ時にはA社が遅延損害金を支払う契約を締結する。
- 納期遅れ時の対策費用をあらかじめプロジェクトに計上しておく。
正解 ア問題へ
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解説
リスク分析・リスク評価の結果明らかになったリスクを修正する策をとることをリスク対応といいます。プロジェクトにマイナスの影響を与えるリスクに対して「回避」「転嫁」「軽減」「受容」の4つの戦略があります。
- 回避(かいひ)
- リスクそのものを取り除いたり、プロジェクトに影響がないようにスコープや目標を縮小・変更する方策。
- 転嫁(てんか)
- リスクによる影響を第三者へ移転すること。リスクのある業務や作業のアウトソーシングすることでリスクの影響を自社から他社に移転する対応策。
- 軽減(けいげん)
- リスクの影響範囲を狭くしたり、発生確率や損害額を低減するような方策。
- 受容(じゅよう)
- リスクが現実化した時の影響が許容可能な範囲内である時に、特段対策をせずにそのままにしておくこと。損害発生の確率が著しく低い場合や、対策費用が予想される損失金額を上回っているときなどに採られる方策。
- 正しい。納期遅れが発生する確率を下げる策であるため軽減に該当します。
- リスクそのものを取り除く策であるため回避に該当します。
- 自社が被るはずの損害額をA社に移転しているため転嫁に該当します。
- リスクを修正せずに受け入れる策のため受容に該当します。
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