平成28年秋期試験問題 問7

大規模な自然災害を想定したBCPを作成する目的として,最も適切なものはどれか。

  • 経営資源が縮減された状況における重要事業の継続
  • 建物や設備などの資産の保全
  • 被災地における連絡手段の確保
  • 労働災害の原因となるリスクの発生確率とその影響の低減
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分野:ストラテジ系
中分類:企業活動
小分類:経営・組織論
解説
BCP(Business Continuity Plan,事業継続計画)は、予期せぬ重大災害が発生した場合に、必要最低限の事業を継続しつつ、業務を早期に復旧・再開できるようにするための行動計画です。近年、地震、火災・爆発、大規模なシステム障害などが相次いでおり、その結果、基幹となる事業・業務の停止に追い込まれるケースが見られることから策定の重要性が高まっています。計画があるのとないのでは有事の際に決定的な違いが出るので、経営の観点から定めて置くべき事項と言えます。

経済産業省や厚生労働省の資料では、BCPの発動から全面復旧に至るまでを以下の4段階のフェーズに分けています。
1.BCP発動フェーズ
災害や事故の発生(或いは発生の可能性)を検知してから、初期対応を実施し、BCP発動に至るまでのフェーズ
2.業務再開フェーズ
BCPを発動してから、バックアップサイト・手作業などの代替手段により業務を再開し、軌道に乗せるまでのフェーズ
3.業務回復フェーズ
最も緊急度の高い業務や機能が再開された後、さらに復旧する業務の範囲を拡大するフェーズ
4.全面復旧フェーズ
代替設備・手段から平常運用へ切り替えるフェーズ
BCPはその名の通り、事業の継続を目的とする計画であるため「ア」の記述が適切です。

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