平成29年秋期試験問題 問54
問54解説へ
内部統制を機能させるための方策として,適切なものはどれか。
- 業務範囲や役割分担を示す職務記述書を作成しない。
- 後任者への引継ぎ書を作成しない。
- 購買と支払の業務を同一人に担当させない。
- システム開発と運用の担当を分離しない。
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解説
内部統制とは、企業などが自らの業務を適正に遂行していくための体制を構築し、運用する仕組みです。その実現には、「業務プロセスの明確化」「職務分掌」「実施ルールの設定及びそのチェック体制の確立」が必要です。
- 業務プロセスの明確化
- 業務フロー図などを用いて業務手順を文書化し、業務手順に潜むリスクを認識するとともに、コントロールが必要な箇所を明らかにすること
- 職務分掌
- 互いの仕事をチェックし合うように、複数の人、部門で業務を分担する仕組みを設けること
- 実施ルールの設定及びそのチェック体制の確立
- 業務にリスクを低減させるためのルールおよびチェック機能を組み込むこと
- 職務記述書の作成は作業フローの整理・把握に繋がり、内部統制が有効に機能するための土台となります。
- 不十分な引継ぎは、業務の停滞および不適切な事務を引き起こす恐れがあります。引継ぎリスクを回避するためにも、引継ぎ書の作成を含む適切な引継ぎ手順を定めるべきです。
- 正しい。実行と承認の権限を複数人に分けることで相互けん制が機能します。
- システム開発と運用では業務内容が大きく異なるため、内部統制の観点から言えば役割を複数人に分離すべきです。
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