平成30年秋期試験問題 問25

次の事例のうち,個人情報保護法の規制の対象にならないものはどれか。

  • 金融商品販売会社の社員が,有名大学の卒業生連絡網を入手し,利用目的を公表又は本人に通知することなく,電話で金融商品の勧誘をした。
  • 自治会の会長が,高層マンション建築の反対署名活動で収集した署名者宛てに,自らが経営する商店の広告用チラシを送付した。
  • 自動車修理工場の社員が,故障車のレッカー移動の際に知った顧客情報を基に,後日,その顧客宅に代理店契約している衛星放送の勧誘に訪れた。
  • 徘徊(はいかい)していた認知症の老人が所持していたクレジットカードを基に,警察が本人の身元を特定して老人を自宅に送り届けた。
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分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:その他の法律・ガイドライン
解説
個人情報保護法では、個人情報を取り扱うすべての事業者は個人情報取扱事業者になると定めています。この「事業者」には法人に限らず、マンションの管理組合、NPO法人、自治会や同窓会も含まれます。

これらの団体にも個人情報取扱事業者としての責務が課されますので、収集した個人情報を特定した利用範囲以外のことに利用する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければなりません。
  • 本肢の行為は、本人の同意を得ることなく目的外のことに使用しているため個人情報保護法で規制されます。
  • 「ア」と同じく規制対象になります。特定した利用範囲以外のことに利用する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければなりません。
  • 「ア」と同じく規制対象になります。特定した利用範囲以外のことに利用する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければなりません。
  • 正しい。次のケースでは個人情報の第三者提供をする際の同意が不要となります。
    1. 法令に基づく場合
      (例:警察、裁判所、税務署等からの照会)
    2. 人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意取得が困難であるとき
      (例:災害時の被災者情報の家族・自治体等への提供)
    3. 公衆衛生・児童の健全育成に必要で本人の同意取得が困難であるとき
      (例:児童生徒の不登校や、児童虐待のおそれのある情報を関係機関で共有)
    4. 国の機関等の法令の定める事務への協力
      (例:国や地方公共団体の統計調査等への回答)
    5. 委託、事業承継、共同利用
    本肢では、本人の同意なくクレジットカード会社から警察への第三者提供が行われていますが、人の生命・身体の保護のために警察が法令に基づいて行った照会ですので、規制の対象外になります。

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