平成31年春期試験問題 問32

ソフトウェアの開発において基本設計からシステムテストまでを一括で委託するとき,請負契約の締結に関する留意事項のうち,適切なものはどれか。

  • 請負業務着手後は,仕様変更による工数の増加が起こりやすいので,詳細設計が完了するまで契約の締結を待たなければならない。
  • 開発したプログラムの著作権は,特段の定めがない限り委託者側に帰属するので,受託者の著作権を認める場合,その旨を契約で決めておかなければならない。
  • 受託者は原則として再委託することができるので,委託者が再委託を制限するためには,契約で再委託の条件を決めておかなければならない。
  • ソフトウェア開発委託費は開発規模によって変動するので,契約書では定めず,開発完了時に委託者と受託者双方で協議して取り決めなければならない。
正解 問題へ
分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:労働関連・取引関連法規
解説
  • 請負は、当事者同士の合意によって成立する契約なので、必ずしも書面での契約は求められません。しかし、金額、納期、開発範囲等を書面に残しておかないと後々紛争になってしまうことも多いため、着手前に契約書を交付しなくてはなりません。
  • 記述とは逆で、請負契約では成果物の著作権は原則として受託側に帰属します。このため、成果物の著作権を委託者側に移転させるためには、その旨を契約書で定めておかなければなりません。
  • 正しい。請負契約では、受託側は仕事の完成だけに責任を負うのであって、どのような方法で仕事を完成させるかについては原則として問われません。もし、再委託を制限したいのであれば、契約書にその旨を定めておかなければなりません。
  • 請負契約では、金額、納期、開発範囲等を最初に確定します。ソフトウェア開発委託費は、開発着手前に委託者と受託者双方による協議によって決定します。

Pagetop