ITパスポート試験 用語辞典
- 分野:
- 分野:ストラテジ系
中分類:法務
小分類:セキュリティ関連法規 - 出題歴:
- H23年秋期問28
- 重要度:
- ★★★
(Wikipedia 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律より)特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(とくていでんきつうしんえきむていきょうしゃのそんがいばいしょうせきにんのせいげんおよびはっしんしゃじょうほうのかいじにかんするほうりつ)(平成13年11月30日法律第137号、施行2002年5月27日)は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利を定める日本の法律である(同法第1条より)。通称プロバイダ責任制限法(プロバイダせきにんせいげんほう)。
プロバイダ責任法と呼ばれることもあるが、法律の趣旨が損害賠償責任の「制限」であるため、電気通信事業者協会・テレコムサービス協会・日本インターネットプロバイダー協会は「制限」の字を入れて表記している。(#外部リンクを参照)
用語
用語の詳細な説明については、逐条解説を参照のこと。
- 特定電気通信役務提供者
- ここでいう特定電気通信役務提供者とは、営利事業を目的としたプロバイダ等を指すのみならず、「企業、大学、地方公共団体や、電子掲示板を管理する個人等」の、「ウェブホスティング等を行ったり、第三者が自由に書き込みのできる電子掲示板を運用したりしている者」も含まれていることに留意されたい。
- 発信者情報開示請求権
- インターネット上で匿名発信情報により被害を受けた者が、被害回復のために、特定電気通信役務提供者に対してIPやタイムスタンプ等の発信者情報の開示を請求する権利。
責任の制限される条件
特定電気通信役務提供者(以下プロバイダ等)は、次の各項目をいずれも満たした場合は賠償の責任を負う必要がない。
権利を侵害された者に発生した損害
- プロバイダ等自身が情報の発信者でない
- 情報の送信を防止する措置を講ずることが技術的に不可能である
- 権利を侵害する情報が流通していたと知らなかったか、もしくは情報の流通を知っていたが、他人の権利が侵害されたと認めるに足りる相当の理由がなかった
情報の送信を停止したことにより発信者に発生した損害
- 情報の送信を停止する措置が必要限度内であった
- その情報が他人の権利が侵害されたと認めるに足りる相当の理由があったか、もしくは権利を侵害されたとする者からその理由を示して送信を停止するよう要求があり、情報発信者に送信停止の同意を求めた場合において7日以内に返答がなかった
発信者情報を公開しなかったことにより開示請求者に発生した損害
- プロバイダ等自身が情報の発信者でない
- 故意または重大な過失がなかった
発信者情報の開示
権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれも該当する場合、プロバイダ等に対して保有する発信者情報の開示を請求することができる。
- 侵害情報の流通によって権利が侵害されたことが明らかである
- 発信者情報が開示請求者の損害賠償請求権の行使のために必要であるか、その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある
開示請求を受けたプロバイダ等は発信者に連絡することができないなどの事情がある場合を除き、発信者に開示するかどうかについて意見を聴かなければならない。
発信者情報は省令で以下のように定められる。省令本文はウィキソースの項目を参照のこと。
- 発信者その他侵害情報の送信に係る者の氏名又は名称
- 発信者その他侵害情報の送信に係る者の住所
- 発信者の電子メールアドレス
- 侵害情報に係るIPアドレス
- 前号のIPアドレスから侵害情報が送信された年月日及び時刻
また、発信者情報の開示を受けた請求者は、発信者情報を用いて発信者の名誉や生活の平穏を不当に害してはならないと定められている。
なお、プロバイダ等は、原則として上記のすべての情報を取得しなければならず、上記すべての情報を適切に取得していなかった場合(例えばIPアドレスのみを取得していたようなケース)、プロバイダ等の不法行為責任が発生する惧れがある。具体的な手続き例
出題例
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