ITパスポート試験 用語辞典

うぃんどうず
Windows
Microsoft社が開発販売しているOSのシリーズ名。最初のバージョンは、1986年に発売され、1992年に発売されたWindows 3.1がPC/AT互換機用の標準OSとして爆発的に普及した。
1998年にはWindows 98が発売され、パソコン用の標準OSとしての地位を確固たるものにした。2022年現在の最新バージョンはWindows11である。
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分野:
分野:テクノロジ系
中分類:ソフトウェア
小分類:オペレーティングシステム
重要度:
(Wikipedia Microsoft Windowsより)

Microsoft Windows(マイクロソフト ウィンドウズ)は、マイクロソフトのオペレーティング システム (OS) の製品群。

1985年11月に「Interface Manager」というコードネームで登場した。初期のバージョンは、MS-DOS上で稼動するグラフィカルユーザインタフェース (GUI)を実現するアプリケーションでしかなかった(独立したOSではなかった)。のちに、GUI環境で先行していた1984年登場のMac OSを追い越して世界のパーソナルコンピュータ市場でトップシェアとなり、2009年10月にはインターネット上で使用されているクライアントの市場シェアの約90%を得た。

現在の最新版は、クライアント版はMicrosoft Windows 8.1 Update 1、サーバ版はMicrosoft Windows Server 2012 R2、モバイル版はWindows Phone 8である。

概要

Microsoft Windowsは、GUIを採用し、主にインテルのx86系のマイクロプロセッサ (CPU) を搭載したコンピュータで動作するOSである。2010年現在では一般向けのパーソナルコンピュータの大半で使用されている。また組み込みシステムやスマートフォンやサーバの一部でも、Windows系のOSが使用されている。スーパーコンピュータでもそれ向けに最適化されたWindows系のOSが僅かに使われている。また、ドリームキャストやXboxにもWindowsベースのOSが使われている。

歴史的には、1985年に当初はMS-DOSの上で稼働するGUI環境として登場したが、この系統は後のWindows 9x系となり、2006年には全開発・サポートが終了した。2012年現在のWindowsは1993年に登場したWindows NT系、および1996年に登場したWindows CEであり、NT系の最新版はパーソナルコンピュータ用がWindows 8.1、サーバ用がWindows Server 2012 R2である。サーバ用には、スーパーコンピュータ向けのWindows HPC Serverも存在する。

Windows NT系の特徴はマイクロカーネルの採用により多様なアーキテクチャのCPUへの移植が容易なことと、信頼性である。ただしWindows 8.xではx86とx64のみ、Windows Server 2012はx86、x64およびIA-64の対応である。

Windowsは各バージョン間で、アプリケーションプログラムや周辺機器の互換性を基本的には保っているが、細部では動作しないものもある。特に、過去の9x系とNT系の間、過去の16ビットAPI (Win16) と32ビットAPI (Win32) の間、現在の32ビット版と64ビット版の間、Windows XPWindows Vistaの間、Windows 7Windows 8/8.1の間などである。尤も、Windows XPからWindows Vistaへの移行は順調に進まず、Windows 7では仮想マシンで古いバージョンとの互換性を確保する「Windows XPモード」が追加された。

Windowsの信頼性・安定性は、DOSの設計を引きずる3.xや9x系では多数の問題があったが、NT系では設計が刷新され、大幅に改善された。また、Windowsは圧倒的にユーザー数が多く、コンピュータウイルスやハッカー(クラッカー)の標的になりやすいOSである。このため、Windows 9x系やWindows XP以前のNT系の脆弱性は深刻な社会問題となり、Windows XP SP2やWindows Vistaではセキュリティに重点が置かれた改良がなされた。なお「マイクロソフトのOSと、インテルのマイクロプロセッサ」という組み合わせはウィンテルと俗称されることもある。

市場シェア

Windowsはパーソナルコンピュータ市場では1990年代後半よりデファクトスタンダードの地位を得て、2010年現在は90%前後の市場シェアを持つ。このため対応するコンピュータ(メーカー)、周辺機器、アプリケーションソフトウェアも多く、またユーザー数、操作方法の情報なども多い。Windowsが普及した背景には、マイクロソフト自身は一部の周辺機器を除いてハードウェアを製造せず多数のハードウェアメーカーへのOEM供給路線を続けたこと、ライバルのMacintoshやOS/2の必要とするハードウェアが当時は高価だったこと、Windows専用のオフィスソフトであるMicrosoft Officeや専用のマルチメディアAPIであるDirectXで作成されたゲームプログラムが市場に広く受け入れられ、キラーアプリケーションとなったこと、20世紀末期から21世紀にかけてのダウンサイジングの潮流に乗ったこと、ネットワーク機能やPOSIXサブシステムなどの極めて少数のコンポーネントを除き、完全な独自設計となっており、Windows製品以外との互換性や移植性が低く、他のプラットフォームへの移行が非常に困難であることなどが挙げられる。

マイクロソフトによる独占の問題

Windowsはマイクロソフトによる独自仕様のソフトウェア製品(プロプライエタリ・ソフトウェア)であり、その製品構成や販売手法をめぐり現在でもいくつかの国で独占禁止法訴訟が起きている。独占の影響を回避するため、官公庁などの公的機関でLinuxなどオープンソースソフトウェアのOSの採用の動きや、オープンフォーマットなどWindows専用のオフィスソフトに縛られないファイルフォーマットの採用の動きがあり、またOSの役割を低下させるクラウドコンピューティングなどの動きもある。上記のようなマイクロソフトによる独占状態の影響もあり、フリーソフトウェア財団は「自由なソフトウェア」というテーマを掲げ、たびたび「脱Windowsキャンペーン」を行っている。

現在市販されているパーソナルコンピュータの多くはMicrosoft Windowsがインストール済みであり、そのライセンス費用は製品価格にあらかじめ含まれている。パーソナルコンピュータを購入しても、直後に別のOSで上書きし、Windowsを望まないユーザーは、この現状を批判的に「マイクロソフト税」(Microsoft tax)や「Windows税」(Windows tax)と呼ぶこともあったが、Linuxディストリビューションの一般化やショップブランドパソコンの増加などによりOSなしで販売する業者も増え、また自分でOSをインストールするような中級以上のユーザーにとってはそもそもメーカー製パソコンが選択肢とならない場合もある。しかし、2000年代に入ってからのGoogleを筆頭とするネットサービス企業の台頭・2008年以降のスマートフォン市場を刷新したAppleの躍進、鉄道駅に設置されている発車標や列車・バスの車内で稼動する車内案内表示装置、数多くの自動車に搭載されているカーナビゲーションシステムなどのデジタルサイネージ製品やPOSシステム、アーケードゲーム、ファクトリーオートメーション、キオスク端末などで利用される組み込み機器向け製品の機能性・カスタマイズ性・安定性が大幅に向上したことなどに伴い、Windowsを目の敵にする風潮は以前に比べるとずいぶんと薄れているどころか、Windowsの支持に転じる者も多くなっている(それはすなわちクラウドコンピューティングとモバイルコンピューティングがIT業界の主戦場となったことによるパーソナルコンピュータOSの影響力の低下であり、マイクロソフトとインテルによる市場支配力の低下をも意味している)。

しかし、独占状態によって統一された操作性が功を奏し、従業員教育にかかるコストが非常に低くなっていることや、同一系統のプラットフォーム間におけるアプリケーションの互換性がある程度確保されていることから、独占状態による悪影響よりも良い影響のほうが大きいと考える者も決して少なくはない。前述のメリットを活かし、さまざまな社会インフラの運用にも幅広く利用されているだけでなく、冒頭でも述べた通り、マイクロソフトによるほぼ完全な独自設計であることから他のOSとの互換性や移植性が非常に低く、非常に有用かつ代用が効かないアプリケーションや周辺機器を数多く抱える製品でもあるため、政財界からは電力会社や公共交通機関などのインフラ産業と同等の扱いを受けることも珍しくなく、日本を含むいくつかの国や地域では、独占禁止法の適用除外の対象と見做され、政府機関との随意契約を締結するケースすら存在する。また、日本や韓国など、いくつかの国や地域では、WindowsとInternet Explorerを用いて電子政府サービスに接続することを利用者に対し義務付けているため、Windowsマシンを持っていないユーザーは、街頭に設置されている専用の端末を用いてサービスを利用しなければならない。当然ながら、これらの地域において他社のOSやブラウザからのアクセスが原因で電子政府システムに障害が発生した場合には、民事および刑事上の責任を負うことになる。

バージョン

初期のバージョン

Windowsは1981年9月に開始した「Interface Manager」というプロジェクトから始まる。1983年11月にWindowsが発表されたが、それから2年後の1985年11月までリリースされなかった。

Windows 1.0はMS-DOS上で動くアプリケーションの一種でシェルに過ぎなかった。MS-DOSの扱える640KBのコンベンショナルメモリをさらにWindowsのシステムに占有されたため、実際にアプリケーションを動かすためのフリーメモリがほとんど残らず実用には程遠かった。Windows 1.0は、複数のウィンドウを画面にウィンドウ自体を重ねて表示せずに、タイル状に表示した。ダイアログ ボックスだけは、ウィンドウに重ねて表示できた。

1987年にリリースされたWindows 2.0はウィンドウの重ね合わせが可能となった。MS-DOSから利用出来るメモリ容量を拡張するEMSメモリを利用することによって、一応は640KB以上のメインメモリが利用できるようになり、1.0より大幅に実用性は高まった。

Windows 3.0 と 3.1

Microsoft Windows 3.x
1990年に発売されたWindows 3.0は、操作感の改良やタスク管理、メモリ管理など、各種機能が網羅的に強化された。日本では、当時のDOS/Vの流行とともにその事実上の後継であるWindows 3.1が爆発的に売れるようになった。それまでは各アーキテクチャ毎に実質的に個別のアプリケーションソフトが必要だったが、パソコンのアーキテクチャの相違をWindowsで吸収することにより、一つの操作方法と一つのアプリケーションソフトが複数のアーキテクチャのパソコンで共有できるようになり、アーキテクチャの強みが意味をなさなくなり、単純な性能と価格の比較でのアーキテクチャの淘汰が行われ、1990年台後半に至ってAT互換機とその後継アーキテクチャが事実上の唯一の存続するアーキテクチャとなった。

各社から発売される非純正のアプリケーションソフトも徐々に増え、不足していたWindowsに追加するネットワーク機能なども他社から供給されるようになってきた。1990年から1995年にかけて、Windows 3.0とWindows 3.1は全世界で1億台、日本国内でも400万台が出荷され、Windowsは事実上の標準の地位を確立した 。Windows 3.1ではオプションとして「Win32s」が存在し、一部の32ビットアプリケーションが使用可能になった。

Windows 95 / 98 / 98SE / Me

Windows 9x系
1995年秋にWindows 95が発売され、世界的なヒット商品となった。Windows 95はシステム的にはWindows 3.xの改良版であり、基本的な構造や安定性は大差なかったが、MS-DOS部分がバンドルされ、Windows 3.1までのプログラムマネージャとファイルマネージャはWindows エクスプローラーに統合され、Windowsのスタートボタンなど新しいGUIや、TCP/IPなどのネットワーク機能を標準装備し、Windows32ビットアプリケーションのサブセット(Win32c、「Win32コンパチブル」)が実行可能になり、限定的ではあるがプリエンプティブ・マルチタスクが可能となった。

Windows 95の成功により、競合したMac OSやOS/2とのシェアの差は拡大した。特に日本ではネットワーク標準搭載のWindows for Workgroupsが発売されていなかったこともあり、Windows 95の発売された1995年は、パソコンやインターネットの普及の元年とも言われた。その後のWindowsシリーズではGUIは大きく変更されず、多くの操作においてWindows 95の操作性が基盤となった。

1998年にWindows 95にInternet Explorer 4.0を統合を行ったWindows 98がリリースされた。翌年にWindows 98の小改良を施したWindows 98 Second Edition(Windows 98 SE)がリリースされた。

2000年にWindows Meがリリースされ、最後のWindows 9x系となった。計画ではWindows 9x系はWindows 98 SEを最後としてWindows NT系のWindows 2000に統合する予定だったが、発売直前にWindows 2000への統合を断念し、次期バージョンであるWindows XPまでのつなぎとして急遽開発されたのがWindows Meである。

Windows 9x系のOSは内部的にMS-DOSを大幅に拡張したものに過ぎず、OSコアの部分には16ビットによる処理も多く残されていた。これは過去のソフトウェアとの互換性や処理負荷の軽減といったメリットをもたらしたが、同時に動作の不安定性を増し、多くのユーザーに理不尽なブルースクリーンを体験させることとなった。

Windows NT 系

Windows NT系
NTは高可用性が要求されるビジネス向けの市場のためにリリースされた。Windows 9xの開発の終了により、9xの役割も要求されるようになった。最初にリリースされたWindows NT3.1から、NT3.5(1994年)、NT3.51(1995年)、NT4.0(1996年)と、ほぼ1年ごとにリリースされた。
2000年にWindows 2000がリリースされ、NTが消費者用としても以前に比べて採用されるようになった。
2001年に消費者向けのエディションが用意された初めてのNTであるWindows XPがリリースされた。2003年にWindows Server 2003がリリースされた。それまでMicrosoftはセキュリティ問題を軽視していたことで社会問題へと発展し、その回答として見た目などは変えずに全面的に作り直したWindows XP Service Pack 2を提供することになった。

Windows XP Service Pack 2の開発と、1994年から利用していた内部システムの全面刷新に手間取り、それまで2、3年間隔で発売していたWindowsだったが、Windows XPの発売から実に5年が経過した2006年にWindows Vistaがリリースされた。2008年にWindows Server 2008がリリースされた。NTのGUIは、同時期にリリースされた消費者向けのWindowsと似たインターフェイスを採用した。NTは用途や要求に対応するエディションが複数あり、Windows XPでは以前に比べて一気に増えた。

64 ビット オペレーティング システム

Windows NTは主なプラットフォームをx86としているが、Windows NT 3.1から常に3つ以上のプラットフォームに対応している。Windows NT 3.1からNT 4.0まで対応していた、PowerPCやDEC Alpha、MIPS R4000は64ビットプロセッサとしても使用できたが、NTは32ビットプロセッサとして使用した。64ビット用も存在したが、出荷されなかった。

本格的に64ビットに対応したのは、Intel Itaniumからであり、Windows XP 64-Bit EditionとWindows Server 2003 for Itanium-based Systemが出荷された。これは主にサーバと高度な性能のワークステーション向けのリリースであり、それ以外は64ビットプラットフォームはなかった。AMD x86-64 が発表され、以前まで対象ではなかった層向けで以前よりも容易に64ビットに移行できるようになり、一般ユーザーへの提供となるパッケージ販売は行われなかったものの2005年にWindows XP Professional x64 EditionとWindows Server 2003 x64 Editionsがリリースされた。x64に対応したことにより、ワークステーションとしてItaniumのサポートしていたWindows XP 64-Bit Editionは一切の対応を終了した。
Windows Vistaではx64に本格的に移行するためにそれまで一部に限られた出荷から、ユーザーのオーダーに応じた64ビットのディスクの送付、パッケージへの32ビット用と64ビット用の同時封入といった対応が始まった。サーバーエディションはWindows Server 2008を最後にWindows Server 2008 R2から32ビットの提供は終了するが、クライアントエディションの32ビット用の出荷停止は発表されていない。

Windows CE

Microsoft Windows Embedded CE
Windows CEは主に組み込み用途を中心とした用途で使用されており、モバイル端末やカーナビゲーションシステム、セガ製ゲーム機のドリームキャストで採用されている。
現在では、電子辞書Brainなどにも搭載されている。

セキュリティに関して

Windowsについては、他のOSに比べセキュリティホールが悪用されることが多い。理由として、シェアが大きく初心者からビジネスユーザーまでさまざまなユーザーがいることから、クラッカーの標的にされやすいこと、OS自体にセキュリティホールが出現しやすい構造上の問題があるなどの原因が指摘されている。Windowsパソコンに侵入するコンピュータウイルスを駆除するために作られたアンチウイルスソフトウェアの種類も多く、多くの場合メーカー製パソコンに対してプレインストールされている。また、Microsoft自体も無償で利用可能なMicrosoft Security EssentialsやEnhanced Mitigation Experience Toolkitなどを提供している。

2001年の "Nimda" 騒ぎ以降、2003年の"MSBlast"など、コンピュータウイルスやワームの被害は連続して発生しており、最近ではスパイウェアが問題になっている。Windows内の要素では、標準で搭載されているInternet Explorer(ウェブブラウザ)やOutlook Express(電子メールクライアント)にセキュリティホールが発見されることが多い。また、ユーザー数・社員数ともに規模が大きい割りに対応が遅れることが多いマイクロソフト内の体質を原因と挙げる経済学者もいる。

また、Windowsにセキュリティホールが多発する理由に、Windows APIの設計の問題がある。Windows APIはオブジェクト指向を取り入れて、カーネル側オブジェクトを保持している構造体やクラスのアドレスをハンドル値とし、ユーザープロセスに渡す。このため、ユーザーAPIから渡されたハンドル値が不正だったり、別のオブジェクトを指すハンドルにすり替えたりしてしまうと、保護されたカーネル空間というセキュリティを突破して、不正なアクセスをカーネル側で実行させることができてしまう。この問題はWindows NT 4.0の時代にあらゆるAPIで存在し得ることが発覚し、カーネル空間以外の場所に存在するオブジェクトを参照しないようセキュリティ修正が加えられた。

しかし、その修正でもオブジェクトのすり替えは可能で、似たオブジェクトを作るAPIを利用してセキュリティを突破できると証明された。Windows XPまでのNT系では、セキュリティ上重要なAPIではオブジェクト自身のアドレスではなく、そのオブジェクトを識別する値をユーザープロセスに渡し、不正なオブジェクトへのすり替えができないように修正されていった。しかしこの修正はパフォーマンスに影響を与えることから、ふだん頻繁に使われるAPIでは行われていない。例えばディスプレイコンテキストにはセキュリティ修飾子がなく、ウィンドウステーションによって一括管理する簡易セキュリティで代用されている。このため、特権の昇格やカーネル内での任意コード実行といったセキュリティホールの報告が散見される。

Windows Vistaでは、当初Windows APIに替わる新API、WinFXを中心に据えようというもくろみがなされていた。これはWindows APIが持つ欠点を解消する最も確実な手段と言える。しかし、この大胆な計画はまったく賛同を得られず、マイクロソフトは撤回した。その代わり、Security Development Lifecycle プロセスでWindows APIの弱点を洗い出して手当たり次第修正し、さらにWin32kやNTカーネルに組み込まれていたモジュールを切り離し、ユーザ空間で動作するWindowsサービスモジュールにすることでWindows APIの根本的な弱点を封じ込める修正を行った。この改修の成果は、Windows Vista発売以後、Windows Updateで提供された修正モジュールがWindows XPよりも少ないという形で現れている。なお、Windows APIに替わるという計画はなくなったものの、WinFXは.NET Framework 3.0 としてWindows Vistaに搭載されている。

サービス パック

Windowsに発見されたセキュリティホールなどの不具合に対して、頻繁に修正モジュールがリリースされている。これらの修正モジュールの集成して動作検証したパッケージをService Pack(サービス パック 略称:SP)という形で発行している。似たようなものにService Releaseと呼ばれるパッケージも発行している。

SPを適用することによってセキュリティの強化、新機能の追加などのメリットを得られる。ただし、システムに若干の改変を加えるために、一部のアプリケーションの動作に支障をきたすなど問題を引き起こすこともある。また、特定のサービスパックのバージョンに依存するソフトウェアも存在する。現にWindows XPにSPを導入したことが原因で、ヤマハ製のサウンドカードが搭載されたパソコンでサウンドが鳴らなくなるトラブルもあった。これらの問題から、特に企業においては適用されないこともあるが、マイクロソフトは強く適用を推奨している。

また、Windows XP SP2には「Microsoft Windows XP Service Pack 2セキュリティ強化機能搭載」という正式名称が付けられている。これには、マイクロソフトはセキュリティに力を入れていなかったという従来の方針を転換し、今後はセキュリティを最重要課題としてユーザーの印象を変えていくという意味合いがある。

マイクロソフトは、Service Packが適用されていないバージョンのみを指す場合に『RTM』や『Gold』と表記する。

ライセンスについて

x86、x86-64版Windowsのライセンス

Windows 7にはライセンス上、製品形態が4種類ある。Windowsのバージョンによっては存在しない製品形態もある。
パッケージ版
通常のWindows販売に用いられるもの、その価格がWindowsの通常価格となる。OEM版やDSP版とは違い、32ビット版と64ビット版のインストールディスクが同梱されており、ユーザーはその一方を自由に選択して使うことが可能。
OEM版
いわゆるパソコンメーカーの製品にプリインストールされたもの、パソコン本体から切り離して、別のパソコンで動かすことは禁じられている。この制限のため、OEM版は通常価格よりも大幅に安価で供給され、またその供給価格の操作によって、マイクロソフトからPCメーカーへの圧力がかけられることもあるとされる。ただし、パソコンの部品構成の変更についての制限は明言されていないため、マザーボード交換やケース交換を行ったうえでOEM版Windowsを利用し続ける事例は多い(パーツの入れ替えは、場合によってはテセウスの船と同様の矛盾が生じるため、賛否両論がある)。
DSP版
販売形態としてはWindowsを組込んだ製品を販売する業者向けのもの、ライセンス上の扱いはOEM版と同等。販売段階でなんらかの部品の付属品として購入する形態になっており、対象とできる部品はいくつかの種類に規定されており、その部品を組み込んだ状態でのみライセンスが有効となる。また対象とした部品を破棄、あるいは破損し使用できなくなった場合、ライセンスも消滅する。。こういった制限があるために、安価で供給されている。
ボリュームライセンス(VL)版
大量導入時などに一枚のインストールディスクで複数のライセンスを取得する販売形態。大量導入ではなくても利用できる場合がある。VL版でのライセンス取得は比較的安価なため、主にネットオークションなどでVL版をバラ売りで転売される場合があるが、"譲渡時にライセンス取得時に取得したものをすべてまとめて譲渡する"という規定があり、バラ売りはライセンス上、明確に禁じられている。

このほか、MSDNサブスクリプション、TechNetサブスクリプションでもWindowsのライセンスが提供されている。ただし、それぞれソフトウェア開発・検証、Windowsの評価などと利用目的に制限がある。

なお、2012年8月24日現在、Windows 8では新たな販売形態として、現在DSP版を購入している自作PCユーザー向けのPULSB版が設けられると報じられている。ただし詳細は不明で、公式発表もない。

緊急時のライセンスによる制限

ほとんどのWindowsはOEM版として供給されており、そのほとんどは専用のリカバリーシステムによるシステム構築及び復元が前提となっている。そのため、本来インストールディスクに備わっている最低限の緊急メンテナンスが行えない場合がある。

技術的には、他のPCのインストールディスクなどで代用できるが、EULAには「ソフトウェアと共に入手したプロダクトキーのみが有効となる」という記述があり、同じ製品のディスクでも、ライセンス上は別々のものとして扱われる。結果的に他のPCで作られた起動ディスクや、そのインストールディスクを使って別のPCをメンテナンスすることはライセンス違反となる。
また、同型機間であってもリカバリーディスクの貸し借りはできず、中古流通もなりたたず、すべてライセンス違反となる。

Windows に関係する資格

マイクロソフト認定プロフェッショナル


マイクロソフト認定プロフェッショナル (Microsoft Certified Professional, MCP) はシステムエンジニアを対象にした資格制度である。Windowsのネットワーク設計・構築・運用・保守や、Visual Studioを使ったアプリケーションの開発を主眼に据えた試験を行っている。

マイクロソフト認定アソシエイト

MCPが技術者向けの資格であるのに対し、マイクロソフト認定アソシエイト (Microsoft Certified Associate, MCA) はIT営業職やオペレーター職など、一般的なIT関連職層を対象にした技術認定資格といえる。日本のみで実施されていた資格制度である。
開始当初は合計3科目であったが、2004年4月の改定で1科目追加され、計4科目。全科目に合格するとMCA Masterと呼ばれる。2013年12月27日にプロメトリックによる試験配信が終了した。後継としてはマイクロソフトテクノロジーアソシエイト(MTA)がある。
科目
科目は全4科目。
  • MCA Security(セキュリティ)
  • MCA Platform(プラットフォーム)
  • MCA Database(データベース)
  • MCA Application(アプリケーション)
受験方法

プロメトリック認定のテストセンターで受験する。合格した場合にはレポートが発行されて初回の場合はウエルカムキットがメールで配信される。今までは郵送されていたがマイクロソフトの環境保護の一環で2009年で取りやめとなった。不合格が2回目の場合、3回目は2回目を受験をしてから1カ月開けて受験しなければならない。

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