ITパスポート試験 用語辞典

ディジタルディバイド
【Digital Divide】
パソコンやインターネットなどの情報通信技術を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる、待遇や貧富、機会の格差のこと。
若者や高学歴者、高所得者などが情報技術を活用してますます高収入や雇用を手にする一方、コンピュータを使いこなせない高齢者や貧困のため情報機器を入手できない人々は、より一層困難な状況に追い込まれる、というように、情報技術によって社会的な格差の拡大、固定化が生じている様子をいう。
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別名:
情報格差
分野:
分野:ストラテジ系
中分類:システム戦略
小分類:システム活用促進・評価
出題歴:
H21年秋期問24 H27年秋期問16
重要度:
(Wikipedia 情報格差より)

情報格差(じょうほうかくさ)とは、都市部と地方間における放送・通信の情報量やサービスの可否に差があること。また、情報技術 (IT) を使いこなせる者と使いこなせない者の間に格差が生じていることを指す。特に情報技術を使えていない、あるいは取り入れられる情報量が少ない人々または放送・通信のサービスを(都市部と同水準で)受けられない地域および住民のことを情報弱者(しばしば情弱と略される)とも呼ばれる。

本記事では、情報格差およびデジタル・デバイド(Digital Divide)について述べるものとする。、実際の用例ではデジタル・デバイドと同義で使われる場合や、企業と消費者の情報量の差(情報の非対称性)として使われたりする。したがって、特に断り書きがない限りは両者を峻別せずに記載するものとする。

概要

「デジタル・デバイド」という言葉が公式に初めて使用されたのは1996年にテネシー州ノックスビルで行われた演説で当時のアメリカ合衆国副大統領であるアル・ゴアが発言したものであるといわれている。この演説では以前よりゴアが強く提唱していた「情報スーパーハイウェイ構想」を2000年までにアメリカ全土の都市部から郊外・農村部に至るまで隅々に網羅させることを約束し、将来の子孫達にが「デジタル・デバイド」によって区切られることがない世界を作りたいと演説の中に織り込んだ。これに続く形で当時の大統領であるビル・クリントンがゴアの発言で使用された「デジタル・デバイド」という言葉を引用し、人々は技術を開発し知識を共有しないことは不平等や摩擦、不安を生む切っ掛けとなるため、それらの課題に一丸となって取り組まなければならないとした。

デジタル・デバイドが生じる主な要因として、

  1. 国家間(先進国と途上国間)、もしくは地域間(都市部と地方間)における情報技術力・普及率の格差
  2. 学歴、所得など待遇面で生じる貧富の格差によって情報端末・機器を入手ないし操作する機会の格差
  3. 加齢や障害の有無など個人間の格差

がある。
これらの要因の結果、機会の格差、個人間の格差は新しい情報技術を幼少の頃から受け入れ容易に使いこなせる若者や、高い収入を得ていた者がさらに情報技術を活用して雇用やさらなる収入を手にしていく反面、新しい情報技術の受け入れが難しい高齢者や低収入のために情報端末・機器を入手できない貧困層、身体部位の欠損や損傷、あるいは視覚障害によって情報端末・機器の使用が困難になった身体障害や、知的・発達・精神など脳に関わる障害者がこれら情報技術を活用できないためにさらに困難な状況に追い込まれ、社会的格差が拡大・固定化してしまうといった情報技術普及に伴う問題が発生している。

また、国家間における情報格差も顕著であり、例えば先進国が情報技術によってさらなる発展を遂げていく一方、発展途上国では情報技術に精通する技術者自体が不足していたり、国家予算から情報技術に投入する費用も不足しているためインフラ整備ができない結果、情報技術そのものが活用できないために国家の経済もさらに格差ができてしまう問題もある。あるいは前述のインフラ整備も都市部では行われているために情報技術が活用できるものの農村部などでは活用できないといった地域間の情報格差も問題となっている。

こうした、発展途上国では上記の理由から情報通信企業の参入も遅れているため、二次的な情報格差の広がりも見せる。

日本において、情報格差(デジタル・デバイド)という言葉が使われ始めたのは2000年前後からである。特に同年夏に開催された第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)ではIT革命が議題として取り上げられ『グローバルな情報社会に関する沖縄憲章(Okinawa Charter on Global Information Society)』の中に盛り込まれた「情報格差(デジタル・デバイド)の解消」と通して同時に情報格差が地球規模の問題であるとの認識と共に知られていった。

情報格差の各側面

  • 情報手段の格差
    • コンピュータのハードウェアおよびソフトウェアを(通信販売以外の手段で)容易に入手できるかどうか。経済、流通などの側面(地方で小売店がどこまで充実しているか)。
    • コンピュータやそのネットワーク(インターネット)を、人が容易に利用し、使いこなすことができるかどうか。また希望者が家族などに頼らず、自ら技術・知識を身につけることができるか。人的側面、情報リテラシーなど。
  • 通信手段の格差
    • インターネットや携帯電話・PHS、無線LANなどの移動体通信を始めとする情報ネットワークを、容易に利用できるかどうか。接続費用の経済面、サービスエリア、速度など。
    • 転勤その他の不本意な理由で町・村・離島(田舎)へ引っ越すことになった場合、そこでブロードバンドインターネット接続(ADSL、FTTH)が利用できるかどうか。
  • 情報資源の格差
    • 放送格差
      • 地上波、衛星波などによる放送サービスを容易に受けることができるかどうか。
      • 政令指定都市・県庁所在地を除く、他の市・町・村・離島別におけるそれぞれの格差(地上波民放のチャンネル数など)。
      • 当該の在住地で地上デジタルテレビジョン放送(地デジ)が受信できるかどうか。
    • マスメディアの格差
      • 民間で作る新聞・書籍・雑誌、レコード・コンパクトディスク、映画(映画館)などを、容易に入手・利用できるかどうか(地方における発売日の遅延に対する影響など)。また、図書館サービスの利用容易性。

国家間・地域間における情報格差

インターネットにおける情報格差

2000年、インターネット普及率は世界総人口の7%であった。これは世界人口を60億人と換算すると4億2千万人になるが、この内の49.4%(約2億750万人)がアメリカ合衆国とカナダによるインターネット人口であった。先進国だけで換算すると31%の普及率であった。その後、先進国においてインターネット普及率が上昇しはじめ、2007年までに62%の普及が見られた。特に2003年から2004年にかけて飛躍的な上昇を見せた。これは先進国におけるブロードバンド通信基盤が整備され始めて足並みがそろい始めた時期とも重なる。これら先進国での通信技術の向上はインターネット普及に大きく貢献したと言える。

しかしその反面、発展途上国においてインターネット普及率は2000年で僅か2%にとどまった。その後、2007年には17%にまでインターネット普及率が上昇したものの、これらの普及の多くは発展途上国の都市中心部や富裕層にのみ普及しているといわれ、先進国と比較して一般庶民にまでインターネットが普及としているとは言えない状況である。

情報格差が経済的格差を拡大する要因とならぬよう、各国政府は対策に追われている。アメリカでは、白人と黒人の情報格差の広がりが問題になっていたが、例えば電話(携帯電話も含む)がそうであるように、ある程度以上普及すれば格差が減少していくという事を根拠に政府がインフラ整備と情報技術の普及に予算をつぎ込んだ。マサチューセッツ工科大学のプロジェクトチームが推進しているThe Children's Machineは、このような情報格差の解消を目的としている。

日本におけるインターネットの情報格差

日本においては、1990年代中期以降にインターネットなどのコンピュータネットワーク(情報技術)が普及を見せてきた。日本におけるインターネットの普及は特に2000年より基本戦略として取り入れられ、続いて2001年に後述するe-Japan戦略など日本国内でさらなる情報技術の普及を掲げた計画を政府主導のもとに行われ整備されていったが、普及と同時に企業や事業所内のOA化が進み、そのためにパソコンなどの情報機器の操作に習熟していないことや、情報機器そのものを持っていないことは、社会的に大きな不利として働くようになった。

また、内閣府の調査では単身世帯・家族同居を含み2007年の調査で78%の普及率が見られるが。若年層がパソコンを扱えない理由として挙げられるのが携帯電話の普及であり、携帯電話でインターネットなど一部パソコンの機能をそのまま有しているため、パソコンを持つ必要性を欠いたためとも言われる。また、さらに近年におけるスマートフォンの普及もパソコンよりも操作性が容易ながらパソコンに近い能力を持つ端末であるため、インターネットの使用率では十分な浸透をみせるもののパソコンなど一定の習熟度が必要な端末を扱えない若年層が増えつつあることが問題となっている。これらを「親指族」「携帯族」などと揶揄される。

逆に情報格差の男女比については緩和されつつある。パソコンや携帯電話を含め情報通信端末の使用は男性が圧倒的に多かったが、近年ではあまり差異が見られなくなってきている。この他に地域による情報格差も問題となっており、都心部と比較して村落など地方における情報格差も指摘されている。また、これら情報通信端末の中でもパソコンを使えていない人やインターネットの使用頻度の問題で情報収集能力が低い人のことを「情報弱者」から略して「情弱」と呼ばれる傾向になり、一種のインターネットスラングとして扱われている。


技術的解決策
技術の進歩・低価格化により、2000年代以前までは不可能だったブロードバンドの導入も可能・容易になっている。
  • プラスチック製光ファイバーの導入・普及
    • グラスファイバー製よりも曲げに強く、屋内配線として、通常の配管にも導入しやすくなった。
  • ラスト10メートルの進歩・普及 (FTTB/FTTCなど)
    • 集合住宅でのLAN配線導入の増加、VDSL(MDFから各戸に既存電話配線により高速信号を通す《10〜100Mbps》)やFWA(集合住宅近傍の電柱に無線の基地局を設置し、個宅のベランダにアンテナを設置する)などを利用するFTTB/FTTCなどが普及した。
  • 既存インフラの活用
    • 前記に加え、 有線放送電話やCATV網の活用によるインターネット接続
  • 改良型ADSL
    • 独自技術によって、メタル線のまま長距離対応を実現したReach DSLや、途中経路まで光ファイバを使用でき、韓国で導入されたHFA (Hybrid Fiber ADSL) などがある。
  • 無線によるラストワンマイル整備
    • 無線LAN、スピードネット(新規受付終了)、定額制PHS、FWAなど
ナローバンド定額制や、無線系アクセスによる代替

それでもなお、諸事情のためにブロードバンド回線が利用できない場合では、ISDNベースのフレッツ・ISDNや、本来モバイル向け無線アクセスであるPHSのAIR-EDGEの定額制接続や、@FreeDなどの定額制ナローバンド接続をメイン回線として使用し、電話代を定額で固定させるだけで解決を図るケースもある。

第三世代携帯電話においては384kbpsや、2Mbps以上の通信スループットを謳うサービスもあるが、日本国内ではほぼ全ての料金プランで、携帯端末単独での使用とPCなどに接続して使用する場合で課金制度が異なるため、数万円〜数百万円単位の高額な課金を請求される恐れがある。パケ死の項目も参照。 

PHSのAIR-EDGEにおいては最高408kbpsを謳うW-OAM通信がサービス開始されたが、第三世代携帯電話のMbpsクラスの高速サービスと同様に、東京・大阪などの都市部を優先してサービス展開がされるため、地方では常に後手々々で高速無線アクセスの提供を全く行わないのが現状である。そのためFTTHが提供されず、高速な無線系サービスを利用しようとしても、そもそもFTTHが提供されないような地域には高速な無線系サービスが提供されていないので利用できない。

2007年3月31日より、第三世代携帯電話では初となる携帯端末だけでなくPCを介した最大3,6Mbpsデータ通信も完全定額5980円で利用できるイー・モバイルが新規参入をしたが、やはりサービス開始当初は東京・大阪・名古屋・京都市内といった人口の多い都市部のみでしか提供されず、これも情報格差の一旦といえる。

また、通信パケット量が多くまたは通信時間が長くなるほど、課金が上昇する従量制(準定額制を含む)であったり、PHSの定額制・準定額制においても、高速な通信になるほどまたは通信時間が長くなるほど、基本料金が高額であったりと、固定通信系ブロードバンド回線に比較してスループット対コストのパフォーマンスが低い問題もある。また一部の利用者による帯域の占有が問題になっており、事業者が帯域制限を実施していることがパフォーマンスの低下に拍車をかけている。ただ、移動体通信事業には巨額の費用が必要であること、また有限資源である無線帯域を共用して伝送路として利用する以上、現状避けがたい問題ではある。

フレッツ・ISDNやダイヤルアップのISDNも、国内の全域で提供されているように思われがちだが、フレッツ・ISDNについては一部の地方で未提供の局がまだ残っており、完全な全域での提供に達していない。また収容局から加入者宅までの線路長が8〜10kmを超えるような遠距離の場合、ISDNのサービス自体がほぼ不可能である。(PHSやダイヤルアップ接続などでの定額制接続手段がない限りにおいては)いずれの常時定額接続手段も存在しない地域が一部の町・村・離島に残っているのも現状である。

なお、ISDNおよびメタル回線によるアナログ電話を前提とするサービスはPSTNマイグレーションに伴い2025年までに全廃することが決定している。

自治体などの取り組み、今後の技術展開など

自治体やNPOの関心が高い地域では、さまざまな地域独自の試みが行われている。

多摩ニュータウンの八王子市柚木地区のNPOである「FUSION長池」や八丈島の「八丈島にブロードバンドを推進する会」などによる署名活動やブロードバンド事業者や行政に対する陳情活動が行われたり、北海道山越郡八雲町の八雲PC同好会のように署名や陳情だけではなく、独自に専用線を確保して、無線LANで分配することで定額接続を実現といったケースがある。特に八雲町のケースは、北海道新聞で報道され、これをきっかけにブロードバンド事業者が八雲町への進出を決めるなどの反響があった。

また、島根県や秋田県、岡山県では、ADSLを中心に進出したブロードバンド事業者に経済的援助を与えたり、地方自治体が整備したインフラを民間にも開放するなどの整備促進策を取ったり、三重県や岐阜県などでは、CATVを主として県がブロードバンド整備を行っている。このため、三重県においては、県道や国道から余程離れた一戸建て以外では、殆ど全県でCATVによるブロードバンドが利用できるまで整備されている。

総務省でも、この問題を解決するために、地方自治体が初めから民間への開放を目的としてインフラ整備を行うことの是非が論じられたり、5GHz帯を無線によるインフラ構築用に開放する動きがあるが、現在の行政側の対策は、過疎型対策がメインである。

また、技術的には研究開発段階ではあるが、人工衛星による超高速インターネット衛星「WINDS」などが計画されており、全国同じ条件でサービスを受けられることが特徴となっている。「成層圏プラットフォーム」(成層圏滞空飛行船)もこれに近い形態といえる。

横浜市のNPOである「インフォメーションギャップバスター」による情報弱者が情報リテラシーを身につけることで情報格差を解消することを試みる動きもある。

しかし肝心の“インターネット端末普及”は、パソコン教室に通って使い方に習熟しなければ困難である。パーソナルコンピュータ若しくは携帯電話は、普及したとはいえ、まだ家電製品並みの使い易さになっているわけではない。

総務省によるu-Japan政策

これらに対し、総務省もただ手をこまねいていたわけではなく、先述の過疎型による町・村・離島への問題対策として、同省を主導としたu-Japan政策において「次世代ブロードバンド戦略2010」を発表し、
  • 2008年度までに「ブロードバンド・ゼロ市町村」(全域においてADSL・FTTH・CATVいずれのブロードバンド回線も利用できない市町村)を解消すること
  • 2010年度までに「ブロードバンド・ゼロ地域」(いずれの種類のブロードバンド回線も利用できない地域)を解消し、
  • 超高速ブロードバンド(FTTHなど)の世帯単位でのカバー率を90%以上とすること

を目標として掲げた。

インターネット業界以外での動き

不動産業界

情報格差の問題については、不動産業界においても取扱物件のブロードバンド利用の可否が物件の価値、契約の成否を少なからず左右しかねない時代になっており、取扱物件に発生し得る情報格差に対しても敏感になっている。

とりわけ、20代〜30代以下の若年層をメインターゲットとした分譲住宅、学生向け賃貸物件などでは、ブロードバンドでもとりわけFTTH導入の可否が販売成約率や入居率を少なからず左右し、販売価格や家賃などにまで影響を及ぼすケースも見られる。

そのため、現在では多くの企業で付加価値を向上させる策として、取扱物件のブロードバンドへの対応が積極的に進められている。特にFTTHが導入可能な物件においては、広告にその旨が宣伝文句として大々的に記載されていることが多い。

同様に短期賃貸マンションや若者向けの賃貸物件では、入居時にパソコンさえ持ち込めば即時インターネット使用可能というシステムを構築している所も少なくない。

2008年頃からは解消されつつあるものの、首都圏でさえ少し郊外部に行けば、FTTHが市街地のみでその周辺地区には存在しない(さらにADSLはあるものの、局までの距離があるため速度がほとんど出ない)という場所は決して珍しくなかった。だが、この様なインターネット能力の差が、地価にも若干ながら悪影響を及ぼしているケースもあると言われている。

他にも、いわゆるパソコン世代ではないベテランの営業販売担当者などには、この情報格差に関する知識に乏しい者も多く、不動産は高額の商取引であるだけに、この情報格差の問題については営業担当者の知識不足が顧客とのトラブルなどの訴訟リスク要因になるのではないかという危惧を、現在では一部の不動産会社が抱くところとなっている。このため、営業担当者へのブロードバンドに関する知識の教育など、対策に取り組む企業も存在している。

この様なことがあって、特に郊外部では、住宅・アパートを新築する際に、FTTHが導入可能な地区かなどの事前チェックが入念に行われることも多い。

また、FTTHが導入可能な地域に所在し、工事をすれば導入可能であっても、インターネットに対する大家の無理解が原因で導入できない賃貸物件は大都市圏でも見られている。だが、これは入居を希望する側が近隣の物件との間での比較検討をする際には、多くのケースでネガティブな要因として扱われ、上述している様に究極的には入居率や家賃などにも響いてくる。そのため、物件の価値の維持・向上のために、不動産業者が大家に対してブロードバンド、さらにはインターネットそのものについての啓蒙を行うケースも見られている。

放送格差(日本)

放送の中でも、特に都道府県および市・町・村単位で見た地上波の民放におけるチャンネル数の格差のことを指す。

自社制作番組が基幹局では多いもののローカル局では少ないことや、一都道府県あたりの地上波民放数の格差について、テレビの放送対象地域でみた場合

  • 関東広域圏(東京都・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・神奈川県)は6局
  • 北海道・茨城県・中京広域圏・近畿広域圏・瀬戸内準広域圏・福岡県は5局
  • 岩手県・山形県・宮城県・福島県・長野県・新潟県・静岡県・石川県・広島県・愛媛県・長崎県・熊本県・鹿児島県は4局
  • 青森県・秋田県・富山県・山陰準広域圏・山口県・高知県・大分県・沖縄県は3局
  • 山梨県・福井県・宮崎県は2局、徳島県・佐賀県は1局

しかない。

ただし、放送対象地域内でも中継局が整備されていない場合もあり、必ずしも全ての市・町・村(特に山間部)および離島で民放の局が受信できるとは限らない。逆に、スピルオーバーにより、一部のエリアでは隣接する都道府県の民放を受信できることがある。ケーブルテレビやデジタル放送の分野においても、同様の地域格差があり、極めて重大な放送格差である。また、新規テレビ局の開局は2011年の地上デジタル放送への完全移行後も現時点では予定されていないが、新たな難視聴が発生している地域および放送対象地域内でありながらアナログ未開局でカバーできていなかった地域における中継局の開局は現在も続いている。

全国をあまねく網羅する衛星放送・衛星デジタル放送により、放送に関する格差はある一定のレベルについては解消されつつあるが、経済的な理由で地上波しか視聴できない(BS・CS放送の機器を導入していない)家庭が半数を占めているうえ、地上波が主である以上、現在地上波とは番組編成が異なる衛星放送では単にチャンネルが増えるだけであり、視聴できない全国放送の番組のほとんどが現状ではなくなる訳ではなく、また集合住宅問題として何らかの理由により衛星アンテナが設置できない問題や、衛星波のある、南西向きの方角に山やビルなどの障害物があるため受信できない問題は「起伏の激しい山村」や「高層ビルの並ぶ都市部」で残っている。そのため、いまだに情報格差の是正には至っていない。

ケーブルテレビは地方部の多くの自治体により、地上デジタルテレビ放送は国により強力に推進されているため、地方でも若干ながら地域格差の解消は進むとは考えられるが、それでも「国内全ての市・町・村や離島が網羅されない」ことと、デジタル化を機に「民放連ならびローカル局などによる区域外再放送の原則禁止や、同意の拒否」などの放送利権の行使で、今まで視聴できていた他県の放送局が今後見られなくなる恐れがあるなど、特にケーブルテレビについては(サービスエリアの対象が市・町・村単位であるため)今後ますます地域格差が広まることが懸念される。ただ、地上デジタル放送は2010年12月時点で中継局などを設置せずにケーブルテレビなどで受信する地域などを除いて既存地域の中継局整備がほぼ完了し、地上デジタル放送移行後も国や自治体の補助などもあり難視聴地域での中継局整備が進んでいる。また、ケーブルテレビの区域外再放送の禁止についても事業者側と民放連との部分合意により、実際は各放送局の権限に任せられているため、上記のような事例もあるものの、一部では各放送局の同意や大臣認定などで問題が解決されつつあるところもある(特に民放が3局以下の地域で多い)。ケーブルテレビなどで受信する中継局のない地域で、ケーブルテレビなどの契約を行わなければ、本来の地域の放送局の放送を見ることができない場合がある。

また、デジタル化ケーブルテレビや、光CATV(放送系光ファイバー、光放送)などのために必要な光ファイバー基盤(FTTH/FTTx)にしても前述の推進はあるとはいえ、不採算を理由に離島や過疎地での提供を忌避し、都市部に優先される傾向があるため、サービス展開上でも地域格差が生じている。

日本では番組制作会社の力が弱く、番組の著作権を放送局が所有することが多いため、娯楽番組など嗜好性の高い番組がCSなどの専門局へ(外国のようには)移行せず、在京キー局中心の番組供給体制であることが格差につながっている。

学者の見解

経済学者のアラン・クルーガーの1993年の研究によると、パソコンを使って仕事をしている労働者は、パソコンを使って仕事をしていない労働者より、賃金が10-15%程度高いということを実証的に示している。一方で、この分析は、パソコンが賃金が高めているのではなく、優秀な労働者がパソコンを使って仕事をしているということを示しているのであるという反論もある。

経済学者の小原美紀、文雄の研究によると、パソコンを用いて仕事をする労働者の賃金は、パソコンを用いて仕事をしていない労働者の賃金よりも高くなっている傾向にあるが、その傾向は高学歴労働者に特徴的に現れているとしている。また、低学歴の労働者の場合、パソコンの利用が賃金引き下げの要因となっているとしており、IT革命は学歴間の賃金格差拡大の要因となっているとしている。

大竹文雄は「IT革命が賃金格差を高めるという論点は、デジタル・デバイドといわれるIT革命の負の側面として指摘されることが多い。IT革命が高学歴者に対する需要増加をもたらすことが賃金格差の要因であるならば、高学歴者の供給増加政策が対処法となる。単なるパソコンの操作を身につけさせる政策は賃金格差の縮小につながらない。IT技術の習得は高学歴者にとっては賃金引き上げ要因となるが、低学歴者にとっては賃金の引き上げをもたらさない。ITと補完的な判断能力・分析能力の習得が必要である」と指摘している。

出題例

正解 

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