労働関連・取引関連法規 (全28問中26問目)
No.26
別段の取り決めがない請負契約の場合,民法に基づき,当事者である注文者又は請負人に課されている義務のうち,適切なものはどれか。
出典:平成22年秋期 問28
- 請負人は,請け負った仕事を完成させる。
- 請負人は,請け負ったすべての仕事を自ら行う。
- 請負人は,仕事の完成後,その仕事に起因して発生した欠陥に対して恒久的に責任を負う。
- 注文者は,仕事にかかる費用を請負人に前払いする。
分類
ストラテジ系 » 法務 » 労働関連・取引関連法規
正解
ア
解説
- 正しい。請負契約は、請負人が依頼された仕事を完成することを約束し、注文者がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを内容とする契約です。請負契約について民法上の義務が生じるのは、「請負人は、請け負った仕事を完成させなければならない」という1点です。請負人には仕事の完成責任があります。
- 請負人は仕事を完成させることが契約上の義務であり、その手段について制限はないというのが原則です。よって、請負人は契約に別段の定めがない限り、再委託などをして仕事を完成させてもよいことになります。
- 完成物が契約内容に適合しないものだった場合、注文者は、請負人に対して履行の追完や、代金減額、契約の解除および損害賠償請求をすることができます(契約不適合責任)。請負人がこの担保責任を負う期間は、仕事の目的物を引き渡した時から原則1年以内(商人同士の取引であれば6か月以内)です。永久に責任を負うわけではありません。
- 請負契約では、成果物の引渡しと報酬の支払いは同時に履行することになっています。委任契約のように仕事にかかる費用を前払いする義務はありません。