平成29年秋期試験問題 問66

公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式において,共通鍵暗号方式だけがもつ特徴として,適切なものはどれか。

  • 暗号化に使用する鍵を第三者に知られても,安全に通信ができる。
  • 個別に安全な通信を行う必要がある相手が複数であっても,鍵は一つでよい。
  • 電子証明書によって,鍵の持ち主を確認できる。
  • 復号には,暗号化で使用した鍵と同一の鍵を用いる。
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分野:テクノロジ系
中分類:セキュリティ
小分類:情報セキュリティ対策・実装技術
解説
公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式はそれぞれ次の特徴をもちます。
公開鍵暗号方式
暗号化と復号に異なる鍵を使用する暗号方式。代表的なアルゴリズムにRSAや楕円曲線暗号がある。暗号化鍵は誰もが使用できるように公開しておき(公開鍵)、復号鍵は受信者が厳重に管理する(秘密鍵)。共通鍵暗号方式と異なり事前の鍵配布は不要である。
共通鍵暗号方式
秘密鍵暗号方式とも呼ばれ、暗号化と復号に同一の鍵を用いる方式。代表的なアルゴリズムにAESがある。暗号化通信の開始に先立って通信当事者同士が鍵を共有しておく必要がある。また通信相手ごとに固有の鍵ペアが必要になる。
下表は2つの方式の性質を対比させたものです。
66.png
  • 公開鍵暗号方式だけがもつ特徴です。
    共通鍵暗号方式は暗号化と復号に同じ鍵を使用するので、暗号化鍵が漏えいすると安全性が担保されなくなります。これに対し、公開鍵暗号方式では暗号化鍵を最初から公開にしているので、第三者に知られたとしても安全性に問題はありません。
  • 公開鍵暗号方式だけがもつ特徴です。
    共通鍵暗号方式では、通信相手ごとに鍵ペアを用意する必要があります。例えば1人の受信者が5人の相手と暗号化通信を行うケースでは5つの鍵ペアが必要になります。これに対し、公開鍵暗号方式では1対Nの通信であれば、Nがどれだけ大きくなろうとも1つの鍵ペアだけで済みます。
  • 公開鍵暗号方式だけがもつ特徴です。
    電子証明書は公開鍵暗号を利用した技術です。
  • 正しい。共通鍵暗号方式だけがもつ特徴です。
    共通鍵暗号方式は暗号化と復号に同じ鍵を使用する暗号方式です。

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