ITパスポート試験 用語辞典
【Gamification】
- 分野:
- ストラテジ系 » システム戦略 » システム活用促進・評価
- 重要度:
(Wikipedia ゲーミフィケーションより)
ゲーミフィケーション(gamification)とは課題の解決や顧客ロイヤリティの向上に、ゲームデザインの技術やメカニズムを利用する活動全般。この言葉は「日常生活の様々な要素をゲームの形にする」という「ゲーム化(Gamefy)」から派生し、2010年から使われはじめた。
ゲームデザイン手法や仕組みを用いて問題の解決やユーザー契約などを獲得すること。例えば、既存のシステムやサービスへの、順位・可視化・ポイント・カード・バッジ・ミッション・レベルシステムの採用など。さらにゲームの要素を盛り込むことによって楽しみながら意図せずそれらと関わっていってもらうことが目的で行われる場合もある。
定義
さまざまな定義があり、論者によって議論が錯綜している節もあるが、井上によれば、下記のように整理されている。
- 最広義: ようするに、ゲームっぽくて役に立つものなんでも。
- 狭義: 「コンピュータゲームのなかで特徴的に培われてきたノウハウを現実の社会活動に応用する」こと。アドバゲームやシリアスゲームは含まない。
- 最狭義: そのなかでもとくに「強化学習プロセスやフロー体験を成立させるための最適なフィードバック設計のノウハウ」を応用すること。
どの論者においても共通するポイントとしては、「ゲームを作る」という行為自体とは区別がされている。
また、非常に近い概念として、代替現実ゲーム(ARG)というものもあるが、これとも重なりはあるが、「ARGは『特別な体験』というエンタテインメント性が第一義であり、ゲーミフィケーションは『サービスの改善』という実用性が第一義である」という形で区別したほうがよいのではないか、という指摘もある。
他に、単に「楽しくする」という意味での用法についても、議論がわかれている。歴史
ゲーミフィケーションという言葉自体は、2010年から使われはじめ、2011年になって大きくとりあげられはじめた。
ゲームのメカニズムの社会的活用、という広義の意味でのゲーミフィケーションの流れは2011年にはじまったことではなく、今回で六度目ぐらいなのではないかとの説もあり、ゲームの社会的活用そのものは新しい現象ではない。しかし、これが大きくとりあげられはじめた背景としては、再び井上によれば
- 北米におけるマーケッターを中心とした流れ(ゲイブ・ジッチャーマンや、ガートナー)
- それと時を同じくして、成功事例が積み重なったこと
- 成功例が増えるための技術的背景が準備されたこと
などが指摘されている。
主な事例
主な事例は次の通り。
- foursquare
- SCVNGR
- Nike+
- foldit
- investigate your mp's expenses
- ♯denkimeter
ゲームのように夢中にさせて虜にする(はまらせる)仕組みは広く応用されている(類似の概念に「ゲームニクス」がある)。
人間の感情や習性を上手く利用し、フィードバック・報酬の用意や承認欲求に代表される「自己実現理論」や「16の基本的な欲求」を満たすことなどによって動機づけを行う。
人は学びたいという欲望があり、達成・刺激が伴うとドーパミンなどの神経伝達物質・脳内麻薬が分泌され快感となり、はまることとなる。しかし、過度となると依存症などの問題となる。
外発的な金銭的報酬(市場規範)を用意すると、内発的動機づけ(社会規範)を低下させたという報告もあり、取り組む行為そのものや、一定方向に導くのには適しているが、作り手側が上手くコントロールしないと、自発性・創造性を否定してしまう場合もある。
ソニー・コンピュータエンタテインメントによるtorneの操作性・ユーザビリティや、マイクロソフトによるKinectの遊び心、任天堂による「QOL(生活の質)を楽しく向上させるもの」もその一種とされる。
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