ITパスポート試験 用語辞典
国が発行し価値を保証する法定通貨とは異なり、仮想通貨には中央銀行的な管理主体が存在しない。投機目的で保有する人が多いことや、2018年初頭に起こった暴騰・暴落および多額の流出事件などで弱さが露呈したことで、国のコントロールが及ばない仮想通貨に対して懐疑的な見方をする人も多い。しかし、国家や銀行の枠を超えた存在である仮想通貨は、現在の法定通貨の不便さを解消する可能性を秘めており今後の発展が期待されている。例えば仮想通貨の利用が進めば、銀行口座を介さない個人間の送金サービスの出現や、決済手数料・送金手数料の低コスト化が進むと考えられている。
- 別名:
- 仮想通貨
- 分野:
- ストラテジ系 » ビジネスインダストリ » e-ビジネス
- 重要度:
(Wikipedia 仮想通貨より)
仮想通貨(かそうつうか、virtual currency)は、デジタル通貨の一種で、開発者によって発行され、通常は管理され、特定の仮想コミュニティのメンバー間で使用され、受け入れられているものを指す。
定義
仮想通貨は中央銀行や政府などの国家主体が発行せず、規制が及ばない通貨としての性質が強調される用法もあるが、定義によっては、中央銀行などによる仮想通貨の発行は必ずしも排除されない。ベネズエラ政府が経済危機への対策として埋蔵原油を裏付けに発行したデジタル通貨「ペトロ」は仮想通貨と呼ばれているほか、中銀版デジタル通貨の検討・実験が始まっている。
また仮想通貨に対して、利用者・投資家保護や資金洗浄・脱税防止などを目的に、国家や業界団体などが規制を及ぼす動きも進んでいる。
アメリカ合衆国財務省の局である金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、2013年に発表されたガイダンスで仮想通貨を定義している。欧州銀行当局は、2014年に仮想通貨を「中央銀行または公的機関によって発行されたものでも、決済通貨にも付随するものでもなく、支払手段として自然人または法人によって受け入れられ、電子的に譲渡、保管または取引される価値のデジタルな表現」と定義した。 対照的に、中央銀行によって発行されるデジタル通貨は「中央銀行のデジタル通貨」として定義される。
一般に、ビットコイン(BTC)やオルトコインなどは、英語圏ではCryptocurrency(暗号通貨)と括られるのに対し、日本では、資金決済に関する法律において「仮想通貨」の定義が導入されたことにより、仮想通貨と呼ばれる。
仮想通貨の代表格である暗号通貨は、中央集権的な管理権威を持たないのが特色であるが、一方で通貨の管理権威である主体による定義付けは以下のようになっている。
- 2012年、ヨーロッパ中央銀行は「未制御だが、特殊なバーチャルコミュニティで受け入れられた電子マネー」と定義。
- 2013年、アメリカ財務省金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は「本物のお金」の対義語と位置づけ、どの司法組織においても法定通貨としての価値を持たないものとして、ガイダンスを発表した。
- 2014年、欧州銀行監督局は仮想通貨を「デジタルな価値の表現で、中央銀行や公権力に発行されたもの(不換紙幣を含む)でないものの、一般の人にも電子的な取引に使えるものとして受け入れられたもの」と定義付けた。
日本では、2016年に成立し、2017年4月に施行された改正資金決済法第2条第5項で、「仮想通貨」は、
- 「物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」又は
- 「不特定の者を相手方として相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」
と定義された。
分類
デジタル通貨は、電子的に転送され格納される特定の形態の通貨であり、すなわち、コインまたは紙幣などの物理通貨とは異なる。 欧州中央銀行によれば、仮想通貨は「一般的にはデジタル」であるが、長い歴史を持つその先駆者であるンは物理的なものである。
暗号通貨は、暗号化を利用してトランザクションを保護し、新しい通貨単位の作成を制御するデジタル通貨である。 すべての仮想通貨が暗号化を使用するわけではないので、すべての仮想通貨が暗号化通貨であるとは限らない。 暗号通貨は一般に合法的な通貨ではない。
(背景が青のセルは(広義の)仮想通貨を示す)
歴史
仮想通貨の概念自体は、アメリカ合衆国上院で1995年には言及されており、1999年には一部の仮想通貨は存在していた。しかしその発達は電子マネーやソーシャルゲームとともにあり、仮想通貨という表現も2009年頃にできたものである。
2017年12月3日、原油確認埋蔵量世界1位、1月5日に1億単位が発行された。国家が発行するデジタル通貨という点では世界初である。
仮想通貨の取得と使用
仮想通貨を入手する場合、一般的には、取引所に口座を開設して、通常の通貨(法定通貨)との交換を行う形になる。仮想通貨と他の仮想通貨を交換することも想定される。仮想通貨によっては、その発行者が、一定の資格を有する者、行動を行った者に対して、仮想通貨を新規に発行することもある。
法定通貨は、国家(中央銀行)によって発行され価値を保証されているが、国家(中央銀行)の経済政策による価値の変動リスクは常に伴っている。
仮想通貨は、利用者による仮想通貨自身への信用によってのみ価値が保証されているので、価値の変動を主導するのは利用者である。日本では給与の支払いや税金の納付は、日本円で行う必要があり、仮想通貨による納付は、法令上認められていない。
日本では、仮想通貨と法定通貨を交換する取引所について、先述の資金決済法の改正で「仮想通貨交換業」として、金融庁への登録が必要になった。
問題点
仮想通貨には、日本円や米ドルなどの法定通貨のような手形交換所がないが、登録を受けた仮想通貨交換業者は存在している。決済記録に関する義務の規定がないが、ブロックチェーン技術によって決済記録は公開されている。
仮想通貨に対しては、以下の様な問題点が指摘されている。ブロックチェーンはこれらの原因になりうる。
- 利用者に対する価値の保証が無い。
- 51%攻撃による取引記録の改ざんの恐れがある。(ビザンチン将軍問題)
- 闇市場を生みやすい。
- 課税の逃げ道になる。
- 資金洗浄に利用される。
- いわゆる「セミナー商法」による、投資詐欺の可能性。(詐欺への注意喚起公報。)
- 仮想通貨と法定通貨とを交換する取引所の管理体制の甘さ。
- 電力の無駄問題。(採掘を有意な演算であるBOINCやFolding@homeに委ねる動きもある。)
種類
600種類を超える仮想通貨が存在し、それらの推定時価総額は2016年4月時点で約80億ドルである。
- ビットコイン
- XRP(Ripple(支払いシステム)
- イーサリアム - 不動産や信託などに使われる。
- ライトコイン - ビットコインから派生した暗号通貨。
- 「リンデンドル」(Linden Dollar) - 仮想世界Second Life(セカンドライフ)で使用される。
- モナコイン - 日本発祥の暗号通貨。
- NEM - 新規発行という仕組みがない仮想通貨。NEMの発展・普及を目指す「NEM財団」という国際団体が存在する。
- ロングテール
- フリーミアム
- 無店舗販売
- EC
- O2O
- BtoC
- CtoC
- BtoE
- EDI
- EFT
- キャッシュレス決済
- フィンテック
- クラウドファンディング
- 電子マーケットプレース
- オンラインモール
- 電子オークション
- インターネットバンキング
- 電子マネー
- インターネットトレーディング
- エスクローサービス
- クラウドソーシング
- 暗号資産
- アカウントアグリゲーション
- eKYC
- デビットカード
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