ITパスポート試験 用語辞典

OJT【On the Job Training】おんざじょぶとれーにんぐ
職場内訓練とも呼ばれ、実際の現場で上司や先輩の指導の下で仕事を習得させていく教育方法。主に原理・原則を理解させることではなく、業務遂行力を身に付けさせることを目的とした指導を行うときに行われる手法である。
分野:
ストラテジ系 » 企業活動 » 経営・組織論
出題歴:
23年秋期問1 26年春期問25 27年春期問3 
重要度:

(Wikipedia OJTより)

OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブトレーニング)とは企業内で行われる企業内教育・教育訓練手法のひとつ。

概要

職場の上司や先輩が部下や後輩に対し具体的な仕事を通じて仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的計画的継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成するすべての活動である。これに対し、職場を離れての訓練はOff-JT(Off the Job Training)と呼ばれる。

OJTという言葉は1935 - 1940年頃の辞書(Webster等)に採録されたが、アメリカで第一次世界大戦中にできた手法とされる。

OJT概史

第一次世界大戦勃発によって、当時5,000人の作業者が勤務していた米国の61の造船所にその10倍の造船所作業員の補充が必要となった。補充要員がいなかったため新人を訓練することになったが、その時代の米国内の職業訓練施設の能力では間に合わなかった。

緊急要員訓練プログラム作成の責任者に任命されたチャールズ・R・アレン(Charles Ricketson "Skipper" Allen)は、造船所の現場監督を指導者として造船所内の現場ですべての訓練をすることを決めた。そして1917年、教育学者ヨハン・フリードリヒ・ヘルバルト(Johann Friedrich Herbart)の5段階教授法(予備、提示、比較、総括、応用)をもとにアレンが開発した具体的な職業指導法が、4段階職業指導法(the "Show, Tell, Do, and Check" method of job instruction、やってみせる→説明する→やらせてみる→補修指導)であった。アレンの4段階職業指導法とは、おおむね下記のようなステップで実施する。

  1. 新人を配置 - 安心して行うこと。彼らが仕事に関し、事前に何かを知っているかどうかを調べること。彼らに学習に対する興味を持たせること。適切な持ち場を与えること。
  2. 作業をして見せる - 注意深く、根気よく、説明し、見せ、図示し、そして質問する。キーポイントを強調すること。一度に1点ずつ、はっきりと完全に教えること、しかし彼らがマスターできる限度を超えてはいけない。
  3. 効果を確認する - 彼ら自身に仕事をやらせてみる。彼らに説明させながらやらせること、彼らにキーポイントを説明させて示させてみること。質問し、正解をたずねること。彼らが理解したと判断できるまで、続けること。
  4. フォローする - 彼らに、彼ら自身が必要なときにだれに質問したらよいかの相手を判断させる。頻繁にチェックすること。積極的に質問するよう促すこと。彼ら自身に、その進歩に応じたキーポイントを見つけさせること。特別指導や直接のフォローアップを段々減らしていくこと。

これが中世以来の徒弟制度(弟子は最初仕事と無関係の雑務から始めその後師匠の補助をするようになり、数年から数十年をかけて仕込んでいく手法。現在も多く存在する)ではない職場指導、すなわちOJTの始まりと考えられる。

さらにアレン式4段階法は20数年後、第二次世界大戦中の米国戦時人事委員会(War Manpower Commission)によって企業内訓練(TWI:Training Within Industry)の次の4つのプログラムに発展した。

  1. JIT(Job Instructor Training、仕事の教え方、1942年4月) - できるだけ早く作業者を教える技能を身につけるように訓練するために開発され、ロールプレイングの手法を取り入れOJTを行う監督者の技能を向上させることを基本的な目的とした。
  2. JRT(Job Relations Training、人の扱い方、1943年2月)
  3. JMT(Job Methods Training、改善の仕方、1943年9月) - 後にJST(Job Safety Training)になる
  4. PDT(Program Development Training、訓練計画の進め方、1944年9月)

このTWIプログラムが戦後の日本に入ってきて、現在の企業研修のもとになっている。

OJTの成果と課題

企業における特に新入社員教育では、一定期間の集合研修を経てOJTへ導入する形式を採ることが多い。専門的な職務能力を要する職種の場合、一人の新入社員に一人の先輩が指導者として割り当てられ実務を進めながら指導する。指導者の指名については該当者の業務実績以上に指導力を考慮する必要があり、特に指導力は新入社員のその後の運命すら左右する可能性がある。

OJTの成果は「実務の中で仕事を覚える」ことにより「OJTの成果が仕事の成果になる」など、研修の成果が業績に反映される。いわば「新入社員の成長」と「企業の業績向上」という、一石二鳥が期待できる。

ただし指導者となった先輩に指導力が伴わない場合、新入社員の能力向上どころかその可能性の芽を摘んでしまう。そのため指導者への課題として「どの分野は誰が詳しい」といった情報を新入社員に伝えるなど、職場内でのコミュニケーションの指導にも配慮が求められる。

また企業によってはいきなり業務を行わせ、いざという時のフォローだけ行うことをOJTと称することがある。指導する側の指導やチェックが確実に行われ指導される側が報告義務を欠かさなければ成果を出せるが、指導する側・される側のどちらかに問題があれば成果は期待できない。

結局、OJTの要諦は意図的計画的継続的の3つであり、これを欠くものは本来のOJTではない。

出題例

情報システム部員の技術スキル習得に関する施策のうち,OJTに該当するものはどれか。
  • 参画しているプロジェクトにおいて,モデル化のスキルを習得するため,一部の業務プロセスのモデル化を担当した。
  • 数年後のキャリアや将来像を描き,そのために必要となるスキルの洗い出しや習得のための計画を自主的に策定した。
  • セキュリティに関するスキルを習得するため,専門性の高い社外のセミナーに参加した。
  • 本年度の業務目標のーつとして,今後必要なスキルの習得を通信教育によって行うことを,上司と合意した。

正解

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